FOLKS – 「地域に根付いて音楽を発信していく」ことを北海道・恵庭市から体現するバンドが誕生。そのクリエイティビティ、可能性に、今話題沸騰中。

FOLKS

北海道恵庭市在住の23〜25歳の幼馴染みによる5人組、FOLKS(フォークス)のメジャー・デビュー盤『NEWTOWN』がヤバイ。繰り返します、超絶ヤバイ。2014年のロック・シーンを確実に盛り上げる、新しい才能であることは間違いないだろう。まずサウンドが只者じゃなく、いわゆる海外ロック・シーンで盛り上がっているシンセポップ、ドリームポップ感あるアレンジの構成力にやられた。例えるならフェニックス、パッション・ピット、フォスター・ザ・ピープル、フォールズ、デロレアンなど、いわゆる“SUMMER SONIC”や“FUJI ROCK FESTIVAL”などへの出演が似合う、知的な香りのする新世代感覚の音を身に纏っているセンスの良さに注目してほしい。それでいて、マニアックな閉鎖感に陥ることなく、日本のティーンのロック好き少年少女の心を鷲掴みにするであろう日常を感じさせる日本語による歌唱、歌詞の美しさも魅力だ。それこそ、10代から50代まで、ロックというキーワードですべての世代を繋ぐことのできる許容力のある希有なバンドなのかもしれない。

思えば、FOLKSが提示する、国内外の優れたセンス良きサウンドをバランス良くキャッチ・アップした安定感あるポップ・ミュージックは発明だと思う。
そんなサウンドを生み出すメンバーは、ギター・ロック・バンドGalileo Galileiを脱退した岩井郁人(vo、g)と野口一雅(b、cho)を中心に結成されている。彼らが、思春期にメジャー・デビューを経験した貴重な体験はFOLKSに活かされているはずだ。様々な経験を積んでいることが平均年齢20代前半のバンドながらも、志の高いサウンドを生み出している要因のように思うのだ。
ソング・ライターである岩井郁人と、岩井豪利(g、vo)は兄弟であり、豪利の友人が高橋正嗣(programming 、synthesizer、cho)であったことがFOLKS結成のきっかけへと繋がった。元々はベーシストだった高橋がシンセを担当し、さらにマルチなプレイヤー小林禄与(g、synthesizer、percussion、cho)や、FOLKSにブラックなテイストを取り入れる野口の存在など、既存のロック・バンドとは思えないサウンドの豊かさを感じる快楽ポイントをチェックしてほしい。

メジャー・デビュー盤『NEWTOWN』に収録されたリード曲「Everything is Alone」での歌詞や突き抜けたサウンドにおける決意表明、ライブ仕様に作られたポジティビティ溢れる「Two Young」、物語感あるメロディアスな「FOREVER」、イントロのシンセ・リフからレッド・ゾーンへ振り切る破壊力ある「Good-bye,friends」、謎めいた展開×メロウなポップ・センスが絶妙な「River」、おだやかに展開されながらも力強いメッセージがパワーをくれる「You’re right」、ライブでの評価が高い大きな世界観を表現する「Replica」など、全7曲どれもが捨て曲などいっさいなく、フレッシュな才能ほとばしる作品群がすごすぎる。ネットの進化によって、どちらかといえばその場しのぎなマーケティングが広がる世の中において、楽曲一発の魅力でバンドの才能を語れてしまう脅威の才能に期待したい。

さらにFOLKSにおいて注目すべきなのが、アルバム世界観が、彼らの地元である北海道恵庭市という新興住宅地、いわゆる“NEWTOWN”といった特殊環境から生まれた人間関係と、恵庭市の影響抜きには語れない透明感ある突き抜けたサウンドを解き放っていることだ。ネット時代、地域性がフラットになりつつあった音楽シーンにおいて、革命的なインパクトを受けたことをここに告白したい。まずは、本作にて王道ポップ感あるロマンチックなメロディと、繊細なる音使いを体験してほしい。そして、ライブ・バンドである彼らの真骨頂を体験してほしいと願う。それほどまでに期待したい新しい才能、それがFOLKSだ。ていうか、熱くなりすぎて前フリが長くなりすぎてすみません……。

INTERVIEW & TEXT BY ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

 

メンバー全員が一緒に成長して、一緒に作品を発表する喜びを共有できるプロジェクト

──日本のロック・シーンって、ひとりの才能あるボーカリストがすべてのクリエイティブを牽引していくパターンが多いのですが、FOLKSってありそうでなかったクリエイター集団的な雰囲気を感じました。

岩井郁人 まさにそうなんですよ。バンドっていうより、全員で曲作りをするクリエイター集団だと思って活動してます。どうしても日本のバンドってフロントマンが引っ張っていく傾向が多いんですよね。FOLKSは、メンバーみんな趣味はバラバラなのですが、とにかく音楽大好きで……昨年末、幕張で行われたロック・フェス“COUNTDOWN JAPAN 13/14”に行ったんですけど、みんなそれぞれ目的はバラバラなのですが「誰々のバンドのPAはヤバかった!」とか「誰々の機材はこんなの使ってた!」とかで盛り上がれるチームなんですよ。なんていうか音楽の構造を暴くのが好きなんですね。

──アレンジの構成力って、みなさんにとってバンドのテーマのひとつだったりしますか?

小林禄与 そうですね。アレンジはこだわってますね。メンバーみんな表現欲求が強いんですが、それぞれが好きな音楽を日々情報をシェアすることで、FOLKSとしてやってみたいことをまとめていく感じですね。
郁人 想像して生まれるイメージを音に変換するのが好きなんです。そこから導き出される物語が詩になっていきます。

──なるほどー。ちなみに「WHAT’s IN? WEB」では初取材となるので、FOLKSがどうやって結成されたかを教えていただけますか?

郁人 幼馴染みの野口と小林に「一緒にモノ作りをしよう!」って声をかけたのが最初ですね。その後、兄ちゃん(岩井豪利)と高橋君がやっていたバンドに声をかけて一緒になりました。メンバー全員が一緒に成長して、一緒に作品を発表する喜びを共有できるプロジェクトにしたかったんですね。

──FOLKSらしさというか、バンドの方向性はどのように決まっていったのですか?

郁人 あるとき、兄の部屋から聴こえてきた曲(後の「River」)がとても素晴らしくて、アレンジをやらせてほしいと頼んだのが最初のきっかけかもしれません。やりたいことといえば、海外インディー・ロック的な実験精神は、メンバーみんな共有してますね。

いろいろな音楽を聴いている感じをFOLKSの作品に表現していきたい

──FOLKSというバンドを結成するにあたって、どんな音楽性にしていきたいなど、ビジョンってありましたか?

郁人 影響を受けてきた音楽は、僕は冬のにおいを感じられるミューや、フェニックスとかが好きで、兄ちゃんはオアシスなどUKロック、小林はダフト・パンクなどリズムが気持ちいいエレクトロ系で、高橋はレディオヘッドや、新しめのUSシーンにも詳しいです。野口はフレンドリー・ファイアーズとかが好きなんですが、’70年代のブラックやソウル系も好きなんです。ほんとバラバラなんですけど、そのいろいろな音楽を聴いている感じをFOLKSの作品にうまく表現していきたいなって思っているんです。
野口一雅 フォスター・ザ・ピープルとか好きですよ。
小林 ダイブ・インというアーティストがすごく気になっていますね。オススメです!
岩井豪利 オアシスが好きですね。

──それぞれ面白い感じですねー。ちなみに、音楽の情報はどうやって仕入れているのですか?

郁人 ほとんどネットですね。Evernoteのアプリなどを使ってつねにメンバー間で情報交換をしています。
小林 個人の方々がやられている音楽系のブログが情報濃いので役立ってますね。東京に来たときは、渋谷のTOWER RECORDSとかに入り浸ってますよ。

──今回もいろいろ行きました?

高橋正嗣 今回の上京は、レコーディング・スタジオに泊まっていて、ずっと好んでスタジオに籠りっぱなしで、ライブ以外は外に出てないんですよ(笑)。
郁人 行きたいお店はいっぱいあるんですけどね(笑)。

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