FOLKS ALBUM「NEWTOWN」ディスクレビュー

NEWTOWN

ALBUM

FOLKS

NEWTOWN

キューンミュージック

2014.02.12 release


すべてを持ち合わせたブライテスト・ホープ from 北海道

 2013年1月に結成されたばかりの、北海道発の5人組バンド──それだけの前情報でプレイ・ボタンを押してみる。スピーカーからオープニングの「Everything is Alone」が流れ出すと、天から降り注ぐように音の粒子がまたたき、しなやかでファットなリズムがすぐさま思考と身体を掌握する……これは、なかなか、いや、かなりイイ! まだメンバー全員が20代前半で、本作が1stアルバムということがにわかに信じられないくらい、とにかく音楽性/アレンジメントの完成度が異様に高くて、シンセ/同期を組み込んだプロダクションはパッション・ピットやマムフォード・アンド・サンズなどUSインディ・ロックの最先端と共振する手触りが感じられるし、同時にジェイムス・ブレイク以降のダブ・ステップ的アプローチが取り入れられていたりもして。で、アーティスト写真を見てみると、全員がスタイリッシュで端正なイケメン……もう前途洋々すぎて、なんかちょっと、いや、だいぶ悔しいです!

 屈折したジェラシーは抑えてバンド・プロフィールを紹介しておくと、彼らFOLKS(フォークス)は今も地元・北海道恵庭市在住で、中心人物の名は岩井郁人(vo、g)……そう、以前Galileo Galileiのギタリストとして活躍した人物で、脱退以降は実兄である岩井豪利(g、vo)や幼馴染みとともにこのFOLKSを結成。昨年夏には“RISING SUN ROCK FESTIVAL 2013 in EZO”への出演を果たし(500組以上の一般公募枠から選出!)、晴れてキューンミュージックと契約。満を持して放たれるのが、このデビュー・ミニ・アルバム『NEWTOWN』だ(ちなみにミックス&マスタリングは益子樹/ROVO、DUB SQUAD、ASLNが担当)。前述した海外との共振性のみならず、全編日本語詞による、郁人と豪利によるシティポップ風のリリカルなボーカル・ラインも大きな魅力。どの要素もどこかからの借りものではなく、きっちり自分たちの土壌で培養/発芽されたものであるから、とてもナチュラルで、気品のようなものを伴って鳴り響いている。いや、本当に計り知れないポテンシャルを持った連中だと思う。

 デビュー以降も5人は地元・恵庭に腰を据えてバンド活動を行っていくという。ある意味隔絶された場所で純粋培養されるクリエイティブから、どんなサウンドが生み出されていくのか──。イチ音楽ファンとして、今から楽しみでならない。

(奥村明裕)

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