KREVA SINGLE「トランキライザー」ディスクレビュー

トランキライザー

SINGLE

KREVA

トランキライザー

ポニーキャニオン

2014.02.05 release

初回限定盤/写真 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


10周年イヤーを勢いづけるフロア対応型強力ナンバー

 ソロ・デビュー10周年イヤーを迎えたKREVAが放つ、2014年第1弾となるシングルが到着。タイトル・トラックの「トランキライザー」(=精神安定剤のことだそう)は、スペイシーかつアゲアゲなビートで気持ちをフックアップする強力ナンバーで、「このトラックは、自分でもめちゃくちゃカッコいいと思います」(新譜資料より)と自画自賛するのも納得! の仕上がり。ファットなシンベのラインはビンビン腰にくるし、躁的なハンドクラップはフロアの狂騒を否応なしに高めるに違いない。

 そんなアッパーなトラックながら、「誰も 理解出来ないかも だけど 君ならわかるだろう」と、サビのリリックは妙に人間くさくて、いささか悲観的で……。されど、“あれれ、クレさん、どうしちゃったの!?”と憂慮されるなかれ。彼一流の、思索的かつスキルフルなライムとともにメンタルのバロメーターは急上昇。「気がつけばいつも 何かわからんが 自信が湧き出す 心の真ん真ん中から ビビらずに 力まずに 行きます!」と、まるで10周年イヤーの進撃を宣誓するかのように、ポジティブ全開の地平へと軽やかに飛翔するのだ。センチメンタル成分高めのサビ・メロと力強いライム・パートのコントラストも鮮やかで、それによってKREVAのメロディ・メイカーとして才が一層際立っているように思う。メロウなカップリングの「稲光」しかり、優れたバランス感覚と野心の元に構築されたソング・メイキングは、大衆相手にタフな闘いを挑み続けてきた彼の試行錯誤と戦果の賜物だろう。

 オフィシャル・ブログでは「トラックを作りだしてからは17、18年経っていると思いますが、今が作っていていちばん楽しいです! 初めての頃の衝動を超える勢いです。まさかこんなことになるとは思いませんでした」と綴り、年頭から絶好調であることをアピール(おみくじも見事、大吉!←実話です・笑)。再び新譜資料を参照すると、「今はテレビを観るのもTwitterをチェックするのもやめていて。心を乱されずに音楽にハマれるように」と、禅の本を読んだことをきっかけに、よりストイックに音楽と向き合っているというKREVA。何よりこのシングルに顕著だが、戦闘態勢はもう万全であることは火を見るよりもあきらかだろう。10周年イヤー、思う存分カッ飛ばしちゃってください!

(奥村明裕)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人