カフカ ALBUM「Rebirth」ディスクレビュー

Rebirth

ALBUM

カフカ

Rebirth

K’s Factory Inc./BRIDGE RECORDS&AGENCY

2014.02.05 release

<CD>


音楽的な“再生”を体現した4thアルバム『Rebirth』

 ギターロック・バンドとしてのキャリアを重ねてきたグループが大胆にエレクトロ・サウンドを取り入れ、音楽的なスタイルを大きく変える……ということで思い出されるのはやはり『Kid A』(‘00年)だが、彼らがレディオヘッドを参考にしたかどうかはともかく、このアルバムによってバンドのイメージが大きく変貌することは間違いなさそうだ。

 カフカの4thアルバム『Rebirth』。前作『fantasy』(’11年)によって“例えばどこにも存在しない世界の物語”をテーマにした3部作を完結させた彼らは、この2年間、新しい挑戦をしてきた。’13年にギタリスト・ミウラチュウが加入し、対になる2作のミニ・アルバム『呼吸 -inhale-』『呼吸 -exhale-』を発表。さらにわずか半年間の制作期間でバンドのキャリアにとって大きな意味を持つ本作に辿り着いたのだ。その最大の特徴は前述したとおり、エレクトロ・サウンドを大幅に反映させていること。この変化は、“ロックからダンス・ミュージックへ”という表面的なものではなく、4人が表現したい世界観・メッセージを追求した結果、エレクトロ・サウンドに至ったということなのだと思う。彼らの生活する東京・世田谷から“2036年 そう遠くない未来に/僕はまだ僕でいたいと そう強く願ったんだ”と語りかける「2036 -introduction-」、別れた恋人に対する思いを叙情的に描いた「Inside of Snowdome」、ブレードランナー的なイメージと現実世界のシリアスな状況を重ねた「電気羊は夢を見ない」、そして、“人間はひとりだ”という圧倒的な事実を捉えつつ、“何度でも また生まれ変わるから”と歌うタイトル曲「Rebirth」。大きく広がったバンドの世界観を描ききるためには、これまでのスタイルに固執していてはいけない——おそらく4人のメンバーはそんなふうに考えたのではないだろうか。人はいつでも、どんな状態であっても生まれ変われることができる。そのことをカフカは、音楽という手段を以て、力強く我々に伝えてくれているのだ。
 

(森 朋之)

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