UNISON SQUARE GARDEN SINGLE「harmonized finale」ディスクレビュー

harmonized finale

SINGLE

UNISON SQUARE GARDEN

harmonized finale

トイズファクトリー

2014.02.05 release


未体験ゾーンへ投げ込まれるエクストリームなポップ

 去年、ワンマンではなく彼らがインディーズ時代に所属していたレーベルの夏イベント“UKFC on the Road 2013”で、久々にライブを観たのだが、スーツ&タイでBMXやスケボーをそのチャンピオンたち以上のスキルで披露するような、しれっとした攻撃性を目の当たりにした記憶がいまだ鮮明だ。作詞作曲を担当する田淵智也(b)がインタビューで自分たちの曲作りについてよく使うワード“乱暴な”、その意味がおっそろしくわかったのだ。’00年代前半に結成したバンドの多くが、ラウドなサウンド、変拍子、転調、スクリーム……といったエレメントで“エクストリーム”と称され、’10年代に登場したライブ・バンドと称される多くのバンドは、先達の“ロックで踊る音楽への挑戦”が挑戦じゃなくフォーマット化された状態で高速BPMと4つ打ちナンバーを量産する。いい悪いじゃなく、もはやテンプレ状態。

 そんななかでユニゾンの“エクストリームなポップ”は、パッと聴き爽快だが、田淵が言う乱暴さを曲の細部に配備している。今回のシングルは彼らのファン層を拡大したアニメ「TIGER & BUNNY」の主題歌としては「オリオンをなぞる」「リニアブルーを聴きながら」に続く3回目のタッグ。これまで以上にイントロからピアノがフィーチャーされ、曲中もコードはギターが、リフやフレーズを主にピアノが担い、よく動くベースと手数の多いドラムのアレンジ全体で、曲を駆動させる構造だ。しかし何がすさまじいって、“harmonized finale 星座になる”というサビのフレーズをはじめ相変わらず膨大な言葉数と音の情報量を合わせた“サウンドの暴風”の中を突っ切っていくこの感覚! いい曲としか言いようがないのに、物理的に未体験ゾーンにリスナー自身が発射されるような、(くどいけれど)エクストリームなポップを実現するバンドという意味でユニゾンは無二だ。

 その体感はイントロのコードとメロディの軋むような違和感が刺さる2曲目の「ピストルギャラクシー」で加速し、3曲目の「三月物語」では情景も温度も一転。4曲目の「I wanna believe、夜を行く」では8ビートの中にリズムの効果的なトラップを仕掛けてあったりする。

 ユニゾンの楽曲は“聴いた人が感じたことがすべて”という覚悟が、無言のうちに秘められている。この高度でポップに昇華された攻撃性は、2014年のロック・シーンで有効な戦い方として再注目されるはずだ。

(石角友香)

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