Hello Sleepwalkers SINGLE「午夜の待ち合わせ」ディスクレビュー

午夜の待ち合わせ

SINGLE

Hello Sleepwalkers

午夜の待ち合わせ

A-Sketch

2014.01.29 release


ポテンシャルをさらに引き上げるターニング・ポイント作

 ’13年12月31日に大阪城ホールで行われたカウントダウン・イベント“Ready Set Go!!Count Down Live 2013→2014 supported by A-Sketch”におけるHello Sleepwalkersのライブは、3週間以上経った現在もはっきりと脳内に刻まれている。まったく先が読めない楽曲展開、4つの楽器(ギター×2、ドラム、ベース)が存在感を剥き出しにしながら絡み合うバンド・サウンド、サビのパートに入った瞬間に一気に解放されるようなメロディ・ラインが奇跡的なバランスで共存する楽曲──ライブ中“こんな曲、計算して作れないよな”と何度も思いました──そして、「うれし過ぎて泣きそう」(ナルミ/g&vo)と言いつつ本当に泣き出してしまうエモーショナルなステージングを含めて、濃密な表現欲求を持ったバンドであることがまっすぐに伝わってきたのだ。なかでも強いインパクトを放っていたのが、1月29日にリリースされるニュー・シングル「午夜の待ち合わせ」。UKのロック・バンドHARD-Fiのリチャード・アーチャーとの共同プロデュースによるこの曲は、Hello Sleepwalkersの魅力をわかりやすく描き出すとともに、そのポテンシャルをさらに引き上げるターニング・ポイントとなるだろう。

 まず印象に残るのは、生々しさを増した音像。尖りまくったサウンド、すべての楽器が音を立ててぶつかり合うようなアンサンブルは、彼らのライブのイメージとも直結していて、聴いているだけで自然とテンションが上がってしまう。もちろん、聴き手の予想を気持ちよく裏切ってくれるアレンジも健在。“パンク×エレクトロ”を基軸にしながら、メンバーの自由なフレーズ(53秒あたりのギター・フレーズとか間奏のベース・ラインなんて、本当にビックリします)を織り込んでいくスタイルは、リチャード・アーチャーの手腕によってさらなる進化を遂げたようだ。

 また、絶望と焦りを抱えながらも、ラストで「明日への僕は歩き始めた/また今夜待ち合わせよう」と高らかに宣言する歌詞も強く心に残る。独自のスタイルを貫きながら、少しずつ存在感を高めてきたHello Sleepwalkers。そこにはおそらく様々な紆余曲折があったはずだが、このタイミングで彼らは大きなフィールドへ向って突き進もうとしている──「午夜の待ち合わせ」には、まだ見ぬオーディエンスとの出会いを渇望する彼らの気持ちが明確に示されているのだ。このバンドはついに覚醒し始める。そんな手ごたえがはっきりと感じられるナンバーだと思う。

(森朋之)

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