ELEKI BASS ALBUM「Home Party Garden Party」ディスクレビュー

Home Party Garden Party

ALBUM

ELEKI BASS

Home Party Garden Party

WAIKIKI RECORD

2014.01.22 release

<CD>


今この時代だからこそ必要な音楽がここにある

 古今東西のポップ・ミュージック/ロックンロールのエッセンスをたっぷり吸い込みながら、親しみやすさと奥深さ、マニアックとポピュラリティを絶妙のバランスで共存させる。うわわ、これは私の大好物ではないか(ちなみにこういう嗜好に目覚めたきっかけは、子供のときに聴いた大瀧詠一氏の『A LONG VACATION』でした)。こんな素敵なバンドをノーチェックだったとは。穴が合ったら入りたい。

 ELEKI BASSはボーカルのサカモト、ギターの亀田JPによるポップ・バンド。’98年に結成され、’00年代に入ってからアメリカのインディー・ミュージック・シーンと共鳴しながら、これまでに7回のアメリカ・ツアーを行っている。その他、ダニエル・ジョンストン(カート・コバーンなど数多くのミュージシャンに影響を与えたシンガー・ソングライター)と共演したり、台湾の大型フェス“Formaz fes”に出演したり、要するに好きなことを好きな方法で実現しながら、自由に音楽を楽しんでいる人たちなのだ(たぶん)。

 約5年ぶりの新作「Home Party Garden Party」(7曲入りミニ・アルバム)にも豊かさと軽やかさを同時に感じさせてくれるナンバーが揃っている。シンプルなロックンロールにラテンっぽいリズムを加えたサウンドのなかで“焦らず、肩を寄せ笑っていこう”と歌う「Vegetable」、パーティ気分を盛り上げるロック・チューン(ほんのりと香るオルタナ風味がステキ)「Garden Party」(ジ・アップルズ・イン・ステレオのロバート・シュナイダー提供曲)、ホンキートンクなメロディとホーンを交えた華やかなアンサンブルが楽しめる「Good Time Music」。膨大な音楽知識と“とは言っても、しょせん音楽でしょ?”とでも言いたげなスタンスがひとつになった彼らの楽曲は、リスナーの心と身体を心地よく開放してくれる効果に溢れている。今の時代に必要なのは、どうしても深刻になりがちな我々の気分をほぐしてくれるこういう音楽かもしれない——と、また真面目に考えてしまうのが私の悪いクセ。今夜はこのアルバムを聴いて、ただただ楽しんでいたいと思う。それにしても世界は広いな。いい音楽ってたくさんあるよ、きっと。

(森 朋之)

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