ヒトリエ SINGLE「センスレス・ワンダー」ディスクレビュー

センスレス・ワンダー

SINGLE

ヒトリエ

センスレス・ワンダー

非日常レコーズ

2014.01.22 release

初回生産限定盤/写真 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


2014年の最重要ニューカマー、現る!

 J-POP、ボーカロイド系、ロック・シーンなどのジャンル、さらに“友だちのフェスに行くのが楽しい!”というオーディエンスから“スマフォで聴ければ十分”というユーザーまでを巻き込みながら大きな波を生み出す——そんな可能性を感じさせるバンドの登場である。シングル「センスレス・ワンダー」でメジャー・シーンに進出する“ヒトリエ”。“新しい”という言葉はこのバンドで終わりにしたい。このシングルを聴いていると、そんなことまで考えてしまう。

 バンドの中心は、メイン・ソングライターのwowoka(vo、g)。’09年から動画サイトにボーカロイド楽曲を投稿。起伏に富んだメロディ、緻密に組み立てられたアレンジ、女の子の心情を抽象的に捉えた歌詞がひとつになった楽曲によって瞬く間に支持を集めた彼は(’11年にリリースされたアルバム『アンハッピーリフレイン』はオリコン週間ランキング6位を獲得!)、その後、“人の目を見て演奏し歌いたい”“人と共に何かを創りあげたい”という意思のもと、バンドを組むことを決意する。そして、ネットで知り合ったミュージシャンたち(ベースのイガラシ、ドラムのゆーまお、ギター&コーラスのシノダ)とともに結成したのが“ヒトリエ”というわけだ。

「センスレス・ワンダー」には、現時点におけるこのバンドの武器が過不足なく表現されている。オープニングはエッジの効きまくったギター・リフ。そこに猛烈なスピード感を持ったリズムが加わり、フックのある旋律と“あたしはイレギュラー/内側に咲いた自尊心”というフレーズとともにバンド全体がドライブしていく。曲が始まって約28秒で完全にノックアウト。あとは曲に身を任せるだけで、この曲の良さ——独創的なポップ感とヒリヒリとした緊張感を兼ね備えたサウンド、女子の内面を鋭く描いたリリック、そして、サビのパートで訪れる圧倒的な開放感——が直接的に飛び込んでくるのだ。一瞬でリスナーを惹きつけて離さないこのパワーは、現在の音楽シーンのなかでも群を抜いている。

 wowakaの高難度な楽曲を見事に表現する演奏テクニックも、このバンドの大きな魅力。極限まで細分化が進んだ音楽シーンをグッとまとめてしまいそうなポテンシャルを持った、2014年の最重要ニューカマーだと思う。

(森 朋之)

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