快速東京 – 楽しいからバンドやる、以上!一点の曇りもない清々しいバンド、快速東京がWHAT’s IN?WEBに初登場!

快速東京

やれることはすべて自分たちでやり、カッコ悪いこと、楽しくないと思うことは一切やらない。そんな当たり前のことを当たり前にやっている——ボーカリスト・福田哲丸の言葉を借りれば“健康的”な——ロック・バンドである。

快速東京。楽曲制作はもちろん、CDのアートワーク、グッズのデザイン、ミュージック・ビデオなどに関してもメンバーがイニシアティブを握る“完全DIY”な活動方針、そして、パンク・ロックの本質をズバッと射抜く楽曲によって徐々に支持広げている4ピース・バンドだ。去年の夏には“RISING SUN ROCK FESTIVAL”“RUSH BALL““BAYCAMP”などのロック・フェスに出演、さらにGoogle Chromeのアプリ「World Wide Maze」のキャンペーン・ソング「8」、キリン「本搾りチューハイ 冬柑」のウェブ広告(メンバーが出演、ディレクションも担当)を手がけるなど、自由奔放な活動を続ける彼らにインタビュー。ニュー・アルバム『ウィーアーザワールド』をフックにしながら、このバンドの真っ当なスタンスに迫った。

INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之

 

どんな話であっても、楽しくなさそうだったらやりたくない

──2013年は快速東京の知名度がさらに上がった年だと思うのですが。

一ノ瀬雄太 そうなんですかね? わりと淡々とやってますけどね、自分たちは。

──キリンとのタイアップも話題になったし。

一ノ瀬 タイアップではないんですよ、あれは。
福田哲丸 そう、タイアップじゃないから面白いんです。
一ノ瀬 依頼されて(ウェブ広告を)作ったというか。向こうも“若いクリエイターに自由に作ってもらいたい”っていうのがあったみたいで。あの仕事に関わっている仲間が何人かいて(一ノ瀬はデザイナーとしても活動中)、その人たちは僕がバンドをやっていることも知ってるから、“ブッ飛んだことが出来るんじゃないの?”って話になって。で、こいつ(福田)を召喚して作ったっていう。だから、“営業してタイアップを取りました”ということとは全然筋が違うんです。

──あくまでもクリエイターとして関わった、と。単なるタイアップには意味がない?

一ノ瀬 そうじゃないですかね。
哲丸 うん。
一ノ瀬 話の内容や規模にもよりますけどね。ルイ・ヴィトンの広告に起用されれば、それはそれでやるんだろうし(笑)。まあ、(キリンのウェブ広告は)楽しく作れましたからね。哲丸は監督もやったから、ギャラもザクッと入ったんじゃない?
哲丸 入んねえよ。
一ノ瀬 でも、一真(ベース担当の藤原一真)なんてタダじゃん。
哲丸 だって、Tシャツ着てベース弾いただけやん。
一ノ瀬 そうか(笑)。まあ、“楽しそうだからやった”って言うだけですよ。どんな話であっても、楽しくなさそうだったらやりたくないし。みんなそうだと思うけど。

──そんなことないと思いますよ。頑張ってタイアップを取ろうとしてるバンドだっているだろうし。

一ノ瀬 “売れたいから、CM取れて「やったー!」”みたいな? そんなカルチャー残ってるんですか?

──残ってるところには残ってるんじゃないですか。もちろん、どんなことにも良い面と悪い面があると思うけど。

一ノ瀬 よくわかんないですけど、芸能界とミュージシャンをごっちゃにしてるから良くないんじゃないですかね?

──そこで悩んだり、ストレスを抱えるバンドもいるだろうしね。快速東京には、そういうストレスはなさそうですね。

哲丸 ストレスがあったら、バンドなんてやらないですよ。
一ノ瀬 バンドをやってることにストレスはないけど、音楽業界に対してはストレスの塊ですよ。
哲丸 ハハハハハ。確かに。

危険物って、俺たちにピッタリだぜ

一ノ瀬 イベントに誘われても、メンツが面白くないから断ることが多いし。……って、こんな話してもしょうがないですよ(笑)。今日はどういうインタビューなんでしたっけ?

──新しいアルバム『ウィーアーザワールド』の話をガッツリ聞きたいと思ってます。

一ノ瀬 あ、なるほど。……何の話をすればいいんだろう?
哲丸 そうだな……。
名前一ノ瀬 うーん……例えば、釣りをやってる人がいるとするじゃないですか。

──釣り?

一ノ瀬 はい。仕事していて、土日に釣りをやってる人がいるとしますよね。その人に「今年はどんな釣りをしますか?」って聞くようなものなんですよね。
哲丸 そうだよね、うん。
一ノ瀬 「え、いや、大きいバスを釣りたいです!」とか、そのくらいのことで(笑)。そういう感じなんですよ、僕らは。
哲丸 そう、ただやってるだけ。
一ノ瀬 何も考えずに作ってるから、そのときに好きな音楽が反映されてることもあるだろうけど。“次はこういうアルバムを作ろう”とか“3rdアルバム、目指せ5万枚”みたいな話をしてるわけではないので。幸いウチのレーベルは、「売れ」とか言わないんですよね(笑)。ジャケットにしても、僕が「こうしたい」と言えば、ちょっと無理してでも実現させてくれるし。

──やりたいから、やってる。それ以上の意味はない、と。

一ノ瀬 そうですね。今回のアルバムは3枚目なんですけど、僕らも学んできて。こういうインタビューで「どんな意図があるんですか?」って聞かれて、そんなもの全然なかったのに、ついつい余計なことを言ってしまうこともあったんです、今までは。それをあとで読むと「こんなこと全然思ってない!」ってことになるから、気を付けてるんです。ほかの若いバンドのインタビューを読んでも歯が浮くというか、“絶対、こんなこと思ってないだろ!”ってことを答えさせられてたりするし。
哲丸 文句はやめようよ(笑)。
一ノ瀬 だから、何もないんですよ。出来たものを聴いて、その人がどう思ったかっていうだけで。
哲丸 うん。“いろいろ考えてやってるんだろうな”と思えばそれでいいし、“こいつら、変わってないな”と思えばそれでもいいし。それは僕らがどうこう言うことではないというか。だから、いちばん取材に向いてないんです。何も言うことがないから。

──なるほどね。

哲丸 せっかくアルバムの話を聞いてもらっても、答えは「いやーわかんないです」ってなっちゃうんですよね。それよりも僕たちはこのホノルルコーヒー(取材場所の喫茶店で一ノ瀬が飲んでいるコーヒー)のほうに興味がある(笑)。
一ノ瀬 そんなことWHAT’s IN? WEBで話してもしょうがないよ(笑)。CDジャケットはイイ感じになりましたけどね。
哲丸 うん、ジャケットは全部、雄太がやってるから。
一ノ瀬 “割れ物注意”みたいなデザインにしたかったんです。危険物って、俺たちにピッタリだぜって思って。

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