fifi ALBUM「first finder」ディスクレビュー

first finder

ALBUM

fifi

first finder

clear

2013.12.25 release

<CD>


これからを占うのもワクワクする1stフル・アルバム

3枚のミニ・アルバムと1枚のシングルに、ライブ・アルバムもリリースしているが、この記念すべき1stフル・アルバムで名と音を知る人も多いだろう。

2009年に結成された4人組バンド、fifi。一言で言うと、とても万能な印象を受ける。2010年代以降のロック・バンドらしい、速くて踊れるビートの楽曲があったかと思えば、時代に関係なく響くであろう歌モノの美しいバラードがあり、さらには真逆とも言える刺激的なシャウトが炸裂する楽曲があり……きっと、いろいろな音楽が好きで、いいと思った楽曲を自分たちのモノにせずにはいられないんだろう。それに加えて、喜怒哀楽の感情すべてを楽曲に込めたいという意思も感じる。だからこそ、ツイン・ボーカルという幅広い表現が出来るスタイルを選んでいるような気がしてならない。さらに、溜め込んだエネルギーをサビで炸裂させる「さよなら少年」から幕を開ける展開が象徴しているように、今、思いっきり自分たちを発揮したいタイミングなのだと思う。歌詞も“全て飲んで!走れ!さぁ夜を行け!”(「Tequila Shout」)、“行け!行け!Starting Over”(「スタート」)など、“!”マークまで多用しながら、自分たちにハッパをかけるように前進している様子が伝わってくる。そうやって、いい意味で欲張りで、前のめり気味に突っ走りながら、バンドの骨格はしっかりしているところが、また彼らの特筆すべきところ。どんな楽曲もキッチリと纏め上げているし、耳触りのいい美声が主軸となっている。クセがあるアレンジや音色も、あくまで聴きやすく着地させているので、あらゆる趣向の人に届くだろう。

この1stフル・アルバムというキャンバスに塗ったカラフルな色が、どう溶け合って彼らだけの色になっていくのか、見守りたい。

(高橋美穂)

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