BENI ALBUM「COVERS 3」ディスクレビュー

COVERS 3

ALBUM

BENI

COVERS 3

NAYUTAWAVE RECORDS

2013.12.18 release

豪華初回盤 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


大ヒットしたイングリッシュ・カバー・アルバム第3弾が到着

前2作で累計60万枚を超えるヒットを記録し、2012年の日本の音楽シーンにカバー・ブームを再燃させたBENIのイングリッシュ・カバー・アルバムの第3弾。本企画の選曲には、ふたつのルールがある。ひとつは、日本の“男性”アーティストの名曲を“女性”アーティストである彼女が歌うこと。他アーティストの、しかも、異性の楽曲を歌うことは、BENIのボーカリストとしての表現力の豊かさやポテンシャルの高さを改めて世間に知らしめると同時に、男性の曲を女性が歌うことで、楽曲にあらたな視点、ニュアンス、色合いを生み出すことにも成功している。ふたつめは、沖縄出身のハーフで、カリフォルニア育ちのバイリンガルであり、オリジナル楽曲では作詞も手がける彼女が、英語歌詞を手がけていること。原曲の歌詞と向き合い、歌う言葉を置き換える行程が、カバー・アルバムでありながらも、“BENIらしさ”を感じさせる大きな要因になっている。

オリジナルの歌詞を尊重しながらも、自分なりの英訳でカバーする。誰もが知っている名曲であればあるほど、細心の注意が必要だったことは想像に難くない。例えば、先行シングルとしてリリースされた、レミオロメンの「粉雪」。ボーカル藤巻亮太が音域のトップまで一気に駆け上がるサビのフレーズ「粉雪 ねえ」は、多くの人が耳にしたことがあるはず。発する音があまりにも離れてしまうと聴き手に違和感を与えてしまうし、音を近づけることを優先しすぎて意味が異なりすぎてもいけない。彼女はこの難しい問題を、直訳の“Powder snow”ではなく、「Come color me」と、続くフレーズ「心まで白く染められたら」の部分を使うことで解決。さらに、“君”と“僕”で語られていた心のすれ違いは“You”と“I”になっているため、性別に関係なく感情移入できるウィンター・バラードになった。キーも含め、カラオケで女性がBENIバージョンを歌う選択肢が増えたことも、この英語カバーの魅力のひとつだろう。

また、第3弾のあらたな試みとして、オフィシャル・ホームページを通して、ファンからのリクエストを募った。その結果、最も多くの声が集まった、GreeeeNのヒット曲「愛唄」が選ばれ、生ピアノを基調にし、デュエットのような男性ボーカルもフィーチャーし、大人のムード漂うR&Bバラードにアレンジ。全体的にこれまでよりも大胆で今日的なアレンジが施されており、さりげなく情感の漂う歌声の大人っぽさが増している。また、前作の「小さな恋のうた」(MONGOL800)に続き、「花」(ORANGE RANGE)、「島人ぬ宝」(BEGIN)と、彼女の故郷である沖縄のアーティストの名曲をチョイス。さらにバラードが中心だった2作に比べると、「全力少年」や「WON’T BE LONG」、パンサーの向井慧が参加した「WOR WAR TONIGHT〜時には起こせよムーヴメント」など、アップ・テンポのナンバーが増えているのも特徴。カバー・シリーズを中心にしたライブへの期待も高まる1枚となっている。

(永堀アツオ)

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