TarO&JirO MINI ALBUM「Brothers Fight」ディスクレビュー

Brothers Fight

MINI ALBUM

TarO&JirO

Brothers Fight

テイチクエンタテインメント

2013.12.11 release


激しさとグルーヴ感で圧倒するアコギ兄弟ロック・デュオ

アコースティック・ギターの2人組というと、ついソフトなサウンドを想像しがちだが、彼らはロック・デュオとしてまったく違うアプローチを示してくれる。TarO(深江公太朗)とJirO(深江智二朗)の実の兄弟からなるTarO & JirO。元々はフォーク・デュオとして活動を始め、バンド経験を経て再びデュオとなり、2009年に本格的に音楽の道を突き進むためにイギリスに音楽修行に出向いた。パプ、ストリートなどでライブ活動を行っていく中で、ビート感の鋭い、アグレッシブなスタイルへと自分たちの音楽性を確立し、徐々に支持を集めていったという。翌年、日本に帰国すると、改めてストリートから活動を始め、ライブハウス・シーンで活躍。フランスの“JAPAN EXPO Paris 2011”など、数々のフェスに出演したり、フランスで初ワンマン・ライブを行ったりと、海外で高く評価されている彼ら。自力のみでそこまで行けたのは、独自の音楽性にギラリと光るものがあったからだ。

そんな彼らがついにミニ・アルバム『Brothers Fight』でメジャーのフィールドに登場することとなった。カッティングとスラップと速弾きが入り交じり疾走していく、ふたりがかき鳴らすギターの音がとにかく生々しい。弦以外の音といえば、ギターのボディを叩く音、ハンドクラップ、バスドラのキックの音くらい。ユニゾンのツイン・ボーカルも実にパワフル。すべての音がひとつのリズムのようだ。グルーヴ感溢れる「Silent Siren」。高速ギターが痛快な「大人の運動会」。ジミ・ヘンドリックスのようなブルース・ギターの「挑発」から、モーターヘッドを彷彿させる「Brothers Fight」など、メタル、ファンク、ブルース、フォークがミックスした強靭なサウンドは圧巻。あえていうなら、MIYAVIに通じる部分もある。ただそれは、追求した音が結果的に近かったというだけの話だ。TarO & JirOの音楽は、なんと言っても、兄弟の掛け合いによって生まれるスリリングなエナジーこそが最大の武器である。ラストの「何人来るかな、やって来るかな?」は、彼らの原点、ストリート・ライブの音も織り交ぜたユニークなサウンドを聴かせてくれる。アコースティック・ギターと歌で、どんなロックの道を切り開いていくのか。TarO & JirOの活躍に期待が高まるデビュー作だ。

(土屋恵介)

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