スーダラ少年 MINI ALBUM「「?」Question」ディスクレビュー

「?」Question

MINI ALBUM

スーダラ少年

「?」Question

VOIL

2013.12.04 release

<CD>


スーダラ少年というひょうひょうとした佇まい

ブラック・ミュージックに影響を受けた歌い手というのはそれこそごまんといるので、むしろ影響を受けていない歌い手を探す方が難しい。声が良いのは当たり前で、道行く人が立ち止まるほどの強烈な個性がないと頭角を現すことができない厳しい世界と言っていいだろう。もちろんソング・ライティングの力も必要で、そうした必須要素を兼ね備えているアーティストとなると、すぐ頭に思い浮かぶのがスガ シカオだ。スガはうまいというよりは個性的で味のある声の持ち主であり、音楽性はひとつのパターンに固執することなく、斬新性と普遍性をうまく同居させている。この松崎ケイスケのソロ・プロジェクトであるスーダラ少年の1stミニ・アルバム『「?」Question』を耳にして、頭をよぎったのがスガだった。ややハスキーな歌声と変化のある曲のバリエーションは、まさにスガに通じるところであり、そのビンテージ感のある音色もスガがデビューした頃を思い出させたりもする。

とは言え、フォロワーという感じがしない。それも彼なりの個性が確立されているからというわけではなく、つかみどころのなさによるもので、まさにスーダラ少年というひょうひょうとした佇まいに通じる。スティーヴィー・ワンダーに代表される’70年代ソウルの香りを漂わせたかと思えば、弾き語りのバラードで王道のJ-POPを聴かせてみたり。そのバラードで“きみはぼくの本当の声を知らない”と歌っているのだが、まさにそのとおりで曲ごとに声の表情も違って見せたりと、本当につかみどころがない。シングルでもなく、フル・アルバムでもなく、様々なタイプの曲が混在した6曲入りのミニ・アルバムというフォーマットがその正体を隠すのに一役買っているが、松崎ケイスケの引き出しはまだまだいくつもありそうだと実感させる。このミニ・アルバムは彼の伸びしろを表面化させ、また今後の跳躍ぶりも期待させる。

(油納将志)

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