東京カランコロン ALBUM「5人のエンターテイナー」ディスクレビュー

5人のエンターテイナー

ALBUM

東京カランコロン

5人のエンターテイナー

avex trax

2013.11.27 release


突き抜けたい想いと高揚感溢れる2ndアルバム

昨年8月にメジャー・デビューし、今年2月にメジャー1stアルバム『We are 東京カランコロン』、7月にシングル「16のbeat」を発表したポップ・センス抜群のロック・バンド、東京カランコロンが、約9ヵ月という早さで2ndアルバム『5人のエンターテイナー』をリリースした。インタビューでも、春に行った初のワンマン・ツアーでの経験が大きな刺激になったと語っているように、アルバムはライブで映えるであろう、躍動感溢れるカラフルな楽曲が並ぶ作品となった。

5人のアカペラで始まる「誰かのエンターテイナー」から、女性メンバー、せんせいの歌う勢いたっぷりの「マッハソング」、そしてアルバムのリード曲「走れ、牧場を」という冒頭からの流れはワクワクする高揚感がみなぎっている。「走れ、牧場を」は、タイトに疾走するサウンドと突き抜けるようなメロディ、「追い越せ昨日を」「明日を描くストーリー」と、ネガティブさを吹き飛ばす歌詞を、いちろーとせんせいが交互に歌っていくナンバー。この歌詞は、本作の一環したメッセージを集約しているように感じられる。あらゆる閉塞感からブレイクスルーしようとするエナジーがとても強い。好きな人への想いを気持ちたっぷりに先生が歌うミディアム・テンポのロック・チューン「指でキスしよう」。アナログ・シンセとギター・リフがループの上でいちろーがファルセットで愛する気持ちを歌う「true! true! true!」。誰にも会いたくないときを明るくするパーソナルな想いをやさしいメロディでせんせいが歌う「キャラメル」。シングルになったエモーショナルなナンバー「16のbeat」。オルタナサイケデリック・ロック「言え言え言え」。メロウかつファンタジックな「てのひら」。そして、痛快なメロディとギターの不協和音が絶妙にマッチした「J-POPって素敵ね」と、これまで以上に芯の太い、音楽性の広がりを見せる楽曲が次々と聴こえてくる。

5人個々の楽器もかなりの自由度で演奏されていて、それが見事なバランスで成り立っているのも彼らの音楽の魅力。メロディや歌詞を追って聴くだけではなく、ギターやキーボードなど、1つのサウンドを追って聴くとまた違った面白さが見えてくる。

『5人のエンターテイナー』は、バンドとしての改めての所信表明、そしてここからさらに上へと向かっていく東京カランコロンの心意気がビシッと伝わるアルバムである。

(土屋恵介)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人