東京カランコロン – 早くも2枚目となるフル・アルバムが完成した。今春のワンマン・ツアーが彼らにもたらしたものは、溢れ出る創作意欲、音楽意識の向上。

東京カランコロン

ひとつの枠に収まらないポップ・ミュージックを、切れの良いバンド・サウンドで届ける5人組ロック・バンド、東京カランコロン。2007年の結成からインディーズ・シーンで活躍し、昨年8月にミニ・アルバム『ゆらめき☆ロマンティック』でメジャー・デビューを果たした彼ら。
今年2月にメジャー1stアルバム『We are 東京カランコロン』、7月にシングル「16のbeat」を発表し、夏フェスにも出演するなど注目度はますます上昇中。その勢いのまま、今年2枚目となるアルバム『5人のエンターテイナー』をリリース。バンドの持つユニークな音楽観はさらに広がり、歌詞は前向きな想いがぎっしりと詰まっている。今の彼らをそのままパッケージした新作について、ボーカル&ギターの、いちろーと、ボーカル&キーボードの、せんせいに話を聞いていこう。

INTERVIEW & TEXT BY 土屋恵介

 

たぶん何やってもこのバンドの音ってぶれないなって確信が持てました

──WHAT’s IN? WEBに初登場ということで、まずは東京カランコロンが結成した頃の話を聞かせてください。

いちろー 僕、大学のときにシンガー・ソングライターをやってたんです。せんせいもピアノの弾き語りでソロでやっていて、もともと対バンとかで知ってはいたんですよね。当時、僕はデビューの予定があったんですけど立ち消えになったことがあって。実は、せんせいも同じような境遇で。それで、僕はひとりでやるのに疲れて実家に半年ぐらい帰って……東京に戻ってきてからスーツを着て普通の仕事をしてたんです。でも、もともとロックが好きだったし、バンドをやりたくなって、久しぶりにバンド・サークルの友達を呼んでスタジオに入って。そこで曲を作る中でキーボードがほしいなと思って、せんせいに頼んだのが東京カランコロンの最初の始まりですね。僕はずっとひとりでやってたので、バンド活動の面白さがやっていくうちにわかったんです。で、本気でやるぞと思って仕事を辞めて、メンバー・チェンジを経て今のメンバーが揃った。それが2009年くらいで。そこからガツガツ曲を作って、ライブも月10本とかやって、今に至る感じです。

──どんな音楽をめざしていたんですか?

いちろー 僕はザ・ビートルズが好きで、ザ・ビートルズみたいなバンドをやりたいなって。とはいえ、実際彼らの音楽ってなんでもありじゃないですか。なので、思いついたことをなんでもやれるバンドにしたいと思ったんです。いろんなアイデアをどんどん曲にしていこうって。メンバーみんなヘンな音を出すんですよ(笑)。人間的に馬が合うし、個性的な音を出しながらやっていくうちに、たぶん何やってもこのバンドの音ってぶれないなって確信が持てましたね。

──曲作りしながら徐々にバンド自体が固まっていったと。

いちろー そうですね。僕とせんせい、ふたりがイーブンで歌うスタイルも、だんだんできていったんです。最初は僕がメインでみんながコーラスって感じだったけど、あるとき、せんせいが歌う曲を作ったらすごく良くて、そういう曲をどんどん作るようになって。で、ふたりで歌う曲も作って。お互いシンガー・ソングライターだったから、せんせいもどんどん歌詞とメロディを作るようになったんです。だから、やれることがどんどん増えてる感じですね。

バンドを引っ張っていけるようなフロントマンになりたいと思って

──せんせいは、東京カランコロンで活動していく中でどんな想いがありましたか。

せんせい 初めは、いちろーさんのバンドって認識だったので、やりたいことに協力するって感じだったんです。でも、メジャーが決まるタイミングで、協力するだけじゃダメだな、もっとしっかりしないとって思ったんです。私が歌う曲もたくさん増えたし、もっと頑張らないとって。だから、最近はちゃんと気合い入れて、バンドを引っ張っていけるようなフロントマンになりたいと思ってます。昔とはバンドに対しての考え方、感覚がすごく変わったと思います。

──昨年夏にメジャー・デビューしたときは、どんな気持ちがありましたか。

いちろー ひとりでメジャーに行きそうで行けなかったから、リベンジ感もありましたね。あと、メジャーが決まる前、知り合いのバンドがどんどんメジャー・デビューし始めてて、行き遅れてるなってちょっと焦ってました(笑)。でも、メジャーに入って作品を出していく中で、メジャーでやってる人の力、やってくことの面白さ、難しさをやりながらわかっていってる感覚です。

──では、最近はどんな音楽が好きですか?

いちろー ザ・ビートルズは基本にありつつ、最近は一時期カルヴィン・ハリスをずっと聴いてました。改めてザ・ミュージックを聴いたり、パッション・ピットをメチャメチャ聴いてるときもました。あと、サッド・デイ・フォー・パペッツが最近だと良かったですね。それと、安藤裕子さんとかも好きですね。

──もっと、音的にも近い、USインディー・バンドが好きかと思ってました。

いちろー あ、好きですよ。たまたま最近クラブ・ミュージック寄りにハマってたんですけど、MGMT、ディアフーフとか好きです。
せんせい 私、音楽は全然詳しくないんです。でも歌うことが大好きで、CMソング、アニメの曲とか口ずさめるものが好きですね。あと、本を読むのは好きです。一番好きなのは、ロアルド・ダールさんの、クェンンティン・ブレイクさんが挿絵を描いてる子供向けの絵本です。毒っけがあって面白くて。あとは広く浅くで(笑)。図書館に行くのが好きなんです。

──図書館は面白いですね。普段接しないものがありますしね。

せんせい そうなんです。本屋さんだと買うからすごい悩むんで、自分の好きなものからしか選ばないけど、図書館だとちょっとの興味だけで借りられるので、1回に10冊くらい借りて。そこで新しい好きが見つかるから面白いです。

この5人が出す音で曲ができるというのが、バンドをやってる意味

──さて、東京カランコロンは、今年2月にメジャー1stアルバム『We are 東京カランコロン』、7月にシングル「16のbeat」を出して、早くも2ndアルバム『5人のエンターテイナー』をリリースしますが、スピード感がすごいですね。

いちろー 普通は、あとシングル2枚挟んでアルバムって感じだと思いますが(笑)、シングルを作らなかったことで、アルバム制作に集中できたんです。やっぱりシングルって、込める気持ちがアルバムと同じくらいエネルギーを使うんですよ。7〜8月に夏フェスに出させてもらったんですけど、とは言っても毎週出るわけじゃないし、逆にスケジュールが開いてて、その間に集中してアルバムを作りたいってレーベルの人に言ったんです。で、11月に出そうってことになり、8月から本格的にレコーディングに入ったんです。

──曲作りは早いほうですか?

いちろー 僕はそうは思ってないんですけど、リリースは早いんです(笑)。
せんせい でも、私たちはひとりが曲を作るんじゃなく、5人全員で作るんです。だから、バンドで作るわりには早いほうなのかなって。
いちろー でも、ひとりで作るよりも精神的に楽ですね。

──曲作りは、いちろーさんが軸的なものを出して5人でセッションしていく感じですか?

いちろー そうですね。基本、僕がアイデア、1フレーズを1個出したら、メンバーがいろんな音を出して形になるんで。スタジオに入るとどんどん曲ができるんですよ。

──スタジオ大好き?

いちろー そうですね(笑)。

──5人で音を出して作っていくことに面白さがあるわけですね。

いちろー そうです。たぶん、ずっとひとりでやってたことの反動だとも思います。でも、バンドで音を出して作るというのは、結成当初からやっていて変わってないし、スタジオで作るというのは組んだときから決めてたことなんです。ひとりでやることがつまらなくなっちゃってたし、限界もあるし精神的なこともあるし。今の作り方は、バンドマンとしては本望です。なにより、この5人が出す音で曲ができるというのが、バンドをやってる意味にもなるし。

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