DJみそしるとMCごはん SINGLE「おりおりのおりょうり〜X’mas〜」ディスクレビュー

おりおりのおりょうり〜X'mas〜

SINGLE

DJみそしるとMCごはん

おりおりのおりょうり〜X’mas〜

キューンミュージック

2013.11.27 release

初回生産限定盤/写真 <2CD>
通常盤 <CD>


“結局、いちばん美味しいのはごはんと味噌汁だよな”

 かわいくてフザけたアーティスト名にだまされちゃいけない。この人の登場は日本語ラップの新しい可能性そのものだと思う、いやホント。食べ物や料理をテーマにしたリリックはもちろん、トラック、アート・ワーク、ミュージック・ビデオもひとりで制作。ふんわりと脱力したラップとおいしそうな歌詞によって確実に知名度を上げている女性ソロ・ラッパー、“DJみそしるとMCごはん”。ロック・フェスからサブカル系イベントなどに次々と出演、ステージのうえで料理するパフォーマンスを含めて大きな注目を集めている彼女が、ついにメジャー・フィールドへ進出、最初の音源「おりおりのおりょうり〜X’mas〜」をリリースする。“クリスマスの料理”をテーマにしながら、11月から12月26日までを4曲で表現した本作には、なんでもない情景をかけがえのない音楽へと導いてしまう彼女の天性のセンスがゆったりと流れている。

「おりおりのおりょうり〜X’mas〜」は、気持ちいいスィング感を湛えた「はじめに(11月・12月)」からスタート。「浮き立つ街ごからしも好き」とつぶやきつつ、「ルーム貝っておいしいね(惜しい)」というクスッと笑えるフレーズを交えながらクリスマス気分をゆるゆると高めたあとは、骨太のリズムとキュートな音響がひとつになった「ショートケーキ」でショートケーキのレシピをかなり詳しく説明。さらに家族のクリスマスを描いた「ローストチキン-Thanks to “Sunday People”-」を挟み、最後は祝祭が終わったあとのぼんやりした雰囲気を想起させる「おわりに(12月26日)」(チキンの骨を見つけて、“鶏ガラスープとれるかな”と鍋でコトコト煮てみたりとか)。身の回りのことだけで成り立っている彼女のラップを聴いていると、なんだか自分の日常までがいとおしく感じてきて、“こういう毎日もなんだか悪くないかも”みたいなことを思ってしまう。そう、“結局、いちばん美味しいのはごはんと味噌汁だよな”とじんわり感じるときのホッとした瞬間にきわめて近いのだ、彼女の音楽は。今年のクリスマスは何もムリせず、ほんわかと日々の楽しさを味わいたいと思います。

(森朋之)

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