みそっかす MINI ALBUM「三次元への回帰」ディスクレビュー

三次元への回帰

MINI ALBUM

みそっかす

三次元への回帰

ドリルおじさんレコード

2013.10.09 release

<CD>


勢いに乗る5人組によるライブを意識したミニ・アルバム

おまえらふざけてんだろと言ったら、なにマジになってんのと言い返されそうだし、実は奥が深いねとホメたら、知ったふうなことを言うんじゃねえよと言われそうだ。

ロックもポップスも歌謡曲もアニソンもゲーム音楽も平等に聴くことができるイマドキのリスナーなら、きっとこともなげに楽しめばいいじゃんと言うにちがいないが、筆者のようなアナクロなロック・リスナーには、なかなか手強い作品だ。だからこそ面白い。

’08年7月に地元・名古屋でライブ活動をスタートさせた5人組、みそっかす。今年5月にリリースしたバンド初のシングル「アメリカと中国と静岡」がタワーレコード限定発売ながらオリコン週間インディーズ・チャート5位を記録。そのあとに行った東名阪自主企画ライブはすべてソールド・アウトになるなど、勢いに乗るその彼らがリリースする3rdミニ・アルバム。ライブを意識したとのことで、モッシュ必至の2ビートやシェイキン・ヒップなディスコ・ビートも交え、ライブ・アンセムになり得る全8曲が収録されている。

メタルコアの影響が色濃いバンド・サウンドに、どぎつい音色で鳴るシンセを加え、さらにはプログレ的と言うか、キテレツな曲の展開でリスナーを煙に巻く、けれんみ溢れる曲の数々が痛快だ。そういう曲を整理せず、あえて込み入ったまま聴かせる勢いと切ない想いに溢れた歌が持つ訴求力は、演奏力とソング・ライティングの高さがあればこそ。

エスニックなメロディ、レゲエのリズム、そして祭囃子さえも取りこむ人を食ったような演奏に比べると、大都会でひとりぼっちになる孤独を歌った「アメリカと中国と静岡」をはじめ、歌詞は思いのほか、シリアス。軟派を装ったと思しき「ファッキンポリス」からは個人的な恨みのみならず、体制批判も聞き取れる。

国民的な人気を誇るあの大物もデビュー当時、イロモノ扱いされていたことを考えれば、イジられやすさと裏腹の親しみやすさを持ったこのバンドもまた……いやいやいや、それにはこの連中、トンがりすぎているだろう。

ネガティブと受け止められかねない、みそっかすというバンド名は、パンク(=ちんぴら)やグランジ(=汚いもの)と同様に、この連中の反骨精神の表れと見た。

(山口智男)

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