サンボマスター ALBUM「終わらないミラクルの予感アルバム」ディスクレビュー

終わらないミラクルの予感アルバム

ALBUM

サンボマスター

終わらないミラクルの予感アルバム

ビクターエンタテインメント

2013.10.09 release

初回限定盤 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


ワクワクするような予感こそ、未来へと走り出すための原動力

 そう、いちばん大事なのは“予感”なのだ。何か素敵なことが待っている、まだ誰も経験したことのない興奮が沸き起こる──そんなワクワクするような予感こそが、未来へと走り出すための原動力になる。このアルバムを聴いて、そんな当たり前のことを久しぶりに思い出した。

 サンボマスターの7thアルバム『終わらないミラクルの予感アルバム』。前作『ロックンロール イズ ノットデッド』では剥き出しのロックンロール・サウンドとともに“俺たちは終わってねえ。絶対にくたばらない”と叫んだ彼ら。それから1年3ヵ月の間、とにかくライブをやりまくってオーディエンスと濃密な関係を作ってきた3人は本作において、さらに開放的でカラフルな音楽へと辿り着いた。まず心に残るのは、山口隆の血と汗と情熱が漲りまくった言葉たち。

「トラウマ、デストロイ!なんだか知らねぇ不安、デストロイ!」(「むき出しの命めざめろ」)、「デカく笑って 変えちまおうぜ 真夜中に踊り出す」(「孤独とランデブー」)、「誰にも君の事 苦しませないさ 約束するの」(「この世がヤミだと言わないでおくれ feat.MINMI」)。他人の不幸を願ったり、誰かを陥れようとするのではなく、自分自身の言動と素敵な音楽によって、ミラクルへと近づいていく。その意思の在り方そのものが、サンボマスターのロックンロールの本質なのだと思う。

 本作もうひとつの魅力は、ファンタジックな広がりを感じさせるサウンド。中心にあるはもちろん燃えたぎるようなロックンロールなのだが、そこにファンク、ソウル、R&B、ディスコ、レゲエ、ダブステップ、エレクトロなどの要素を自由に取り込むことで、まだ誰も体験したことのない音楽へ結び付けているのだ。もともとサンボマスターのメンバーは古今東西の音楽に詳しく、それを効果的に取り入れるセンスとテクニックを備えているのだが、本作を聴けば、それがさらに全開になったことがわかるはず。“ライブでめちゃくちゃ盛り上がって、ワーッ! と叫びながら暴れまわる”というイメージもあるこのバンドは(もちろん、そのイメージは間違ってないのだが)、実はきわめて高い音楽性を持っているのである。

 さあ、あとは自分次第。終わらないミラクルを起こすのは、あなた自身なのだから。

(森朋之)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人