flumpool – デビュー5周年を迎え、日本武道館にて行われたメモリアル・ライブ。アニバーサリーを盛り上げるゲストも迎えたスペシャルなステージ。

flumpool

2008年10月1日のメジャー・デビューから5年。ちょうどデビュー5周年イヤーを迎えた2013年10月1日、そして2日に、flumpoolがファンへの感謝の想いを込めた2Daysのメモリアル・ライブを日本武道館にて開催した。彼らの武道館公演は、2009年10月ぶり2度目。そこからのバンドのおおいなる成長と、ここからのあらたな進化を指し示す、スペシャルなステージを見せた彼ら。ライター青木優氏によるこの日のライブ・レビューをお届けする。

TEXT BY 青木優

 

5年間の道のりが、くっきりと浮かび上がって見えたライブ

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flumpoolの5年間の道のりが、くっきりと浮かび上がって見えたライブだった。そのときの厚みの中には、美しさや輝きと同時に、悩みや迷いのホロ苦さもあったことが感じられた、そんな3時間だった。

鮮やかなライティングや華麗なレーザー、過去の4人の映像も交えたプロジェクター上のビジュアル等々の多彩な演出。その上にダンサーあり、NON STYLEの井上裕介やアジア全域で絶大な人気を誇る台湾出身のバンドMaydayといったゲストもあり。それらは、デビューからここまでのflumpoolをお祝いする場のスペシャル感としては最上級のものだった。
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バンドとオーディエンスの熱い感情。お互いがお互いを求め合う関係性

しかしそんな演出や仕掛けよりもはるかに大きなものとしてこの日ここにあったのは、バンドとオーディエンスの熱い感情だった。両者の間には絶えず交歓があって、お互いがお互いを求め合う関係性が強く伝わってきた。flumpoolは4年前にもこの武道館で同じく2デイズ公演を行っているが、あのときにはステージと客席との間にどこかモヤがかかったような、お互いが遠慮しているような、どうにも距離感を掴みかねているような空気があったのを覚えている。それはムリもないことだった。当時の彼らは急激なブレイクとファンの数の急増によって大会場でいきなりライブを行うことになり、かなりの“初めまして”感を伴いながら演奏するしかなかったからだ。

それが今夜はまったく違っていた。演奏から放たれる自信、確信。それに返っていくオーディエンスからのすさまじい熱気。序盤、山村隆太はその熱さについて、こんな言葉を返した。
「(会場中からの大歓声に対して)……そんなに、1回目のMCから感動させないでよ!」
「flumpoolが5周年を迎えられたのは、ここにいるすべてのみんな!……(またも大歓声)……のおかげです!」
このときの山村の声のトーンは、どこかうわずっていた。そのあとも5年間を振り返る話になるたびに、胸がいっぱいになりそうな様子が伝わってくる。様々な想いが頭の中を去来しているのだろう。その感情がなんだったのかは想像するしかない。だが、それはおそらく“5年間一生懸命頑張ってきたな”“ここまでやってこれて良かったな”程度のものではなくて……もっともっといろいろなものがグチャグチャと入り混じったものではないだろうかと思いながら、僕は観ていた。
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自分自身とはなんなのか? いかに生きていくべきなのか?

今回のライブでは、会場に設営された巨大プロジェクターの映像の下部にすべての曲の歌詞が映し出された。それは観客がバンドと歌を共有できるという意味で有用であると同時に、flumpoolが描いてきた世界のコアな部分を再確認できるという観点でも、実に大きな役割を果たしていた。
例えばオープニングを飾った2曲は、昨年のアルバム『experience』に収められていた「Because… I am」「覚醒アイデンティティ」だった。これらには自分自身とはなんなのか? いかに生きていくべきなのか? という問いかけがあり、その迷いから立ち上がっていこうとする意志が表れている。冒頭からflumpoolが、山村隆太が、自分(たち)はどうあるべきなのか……という命題の前で苦悶していた事実が伝わってくる。最もバンド全体としてはそうした歌を、ビシッと引き締まった演奏で聴かせていく。これも彼らの流儀ではないかと思う。

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