the pillows – 約1年の活動休止期間を経て再び歩みを共にし前進し続ける3人が、バンド結成日の9月16日に新作「ハッピー・バースデー」をリリース。

the pillows

昨年7月より“バンドのメンテナンス&リハビリ”のため、一時的に活動を休止していたthe pillows。その彼らが、いよいよ本格的に活動を再開する。バンド結成から24年目の記念日にあたる9月16日にリリースされるニュー・シングル「ハッピー・バースデー」。ミドル・テンポの曲調に乗せて、“その先の一歩”を踏み出す意志を切々と歌い上げるこの曲は、再始動を果たした彼らにとって、いったいどんな意味を持った歌なのだろうか? そして、3曲目に収録された「クオーター 莫逆の友」で率直に綴られた、四半世紀を共に過ごしてきたメンバーへの想いとは? 本作を皮切りに、結成25周年のアニバーサリー・イヤーへと突入していくthe pillowsの“現在”を、そのフロントマンである山中さわお(vo、g)に、じっくりと語ってもらった。当たり前の話だけれど、実際に直接本人に聞いてみないとわからないことがたくさんある──そんなテキストになったと思う。

INTERVIEW & TEXT BY 麦倉正樹

 

the pillowsはずっと前進するものと決めて僕は生きてきた

──まずは、改めて“活動休止”の真相について聞かせてください。

まあ、ずいぶん長く続けているバンドだから、ある程度仕方ないのかなとも思うんだけど、バンドとしての機能があんまりうまく働いてないなっていうふうに感じて……と言っても、去年いきなり感じたわけじゃなくて、ちょっとずつ積もり積もっていったというか、ネガティブ・スタンプカードにスタンプが一個一個溜まって、フルになってしまった感じなんだよね。『トライアル』(’12年1月発表18thアルバム)を作っているときに、これはもうフルだなって気づいたというか。

──そんなに前の時点での話だったんですね。

うん。バンドをやっていくのには、最低限の情熱が必要だと思うんだけど、その最低限の情熱に達してないって判断せざるを得ない状況になって……そのスタンプが1個か2個増えても、the pillowsはずっと前進するものと決めて僕は生きてきたので、休むなんて考えてもいなかったし、それが8個くらい溜まっても進められたんだけど、ある日ポンポンと9、10個みたいな感じになって……これはダメだなと思ったんだよね。

──事前に“活動休止”を宣言するのは初めてなので、これはちょっと只事ではないのかなって思っていましたけど。

あ、でもそれはね、僕のマジメっていうか細かい性格を反映したものであって……たぶん、みんなが思っているのと全然違う理由からきているものなんだけど。

──というと?

ファンクラブに(新しく)人が入ってしまったら大変だっていう。

──ああ……。

要するに、『トライアル』のツアー中(’12年3〜6月)も、ファンクラブの募集をしているわけですよ。で、ファンクラブに入るいちばんの理由って、やっぱりライブのチケットを優先して獲れることであって……でも、その後1年間はthe pillowsのライブをやらないって決めていたから、もし入るんだったらライブがないことをわかって入ってねっていう。じゃないと詐欺だなと思ったので、事前にアナウンスをしておきたかったっていうことなんだよね。

自分の人生にとってどのぐらい必要なのか考えてもらいたかった

──そういうことだったんですね。

うん。ただ、ちょっとみんなが誤解しているのは、休止を決定したときと発表したときっていうのは、すごいタイム・ラグがあってさ。去年の2月に、もうメンバーとその話はしているんだよ。で、その話し合いが、僕の想像よりもすごく……僕は悪いパターンしか想像してなかったんだけど、それが思いのほか良い話し合いになって。でも、積もり積もったものを小1時間の話で済ませるわけにはいかないというか、自分の人生にとってthe pillowsがどのぐらい必要なのか改めて考えてもらいたかったから、活動休止はするって俺が決めたんだけど。で、それから『トライアル』のツアーに出たので、そのツアーは逆に今までにないぐらい仲の良いツアーだったというか、ちゃんとコミュニケーションを取ろうとしたツアーになって……それが終わったあと7月に活動休止が発表になって、そっからみんなザワザワしているけど、こっちは全然そういう感じではないっていう。

──すでに、ひと山越えたあとだったんですね。

そう。こっちはもう、そんなことは越えてツアーに出ているわけだから、どうしてもみんなとズレがあるというか……。

──ただ、そのあとに出したソロ・アルバム『破壊的イノベーション』(’13年2月発表)で、今まで禁じ手にしていた日本語詞の曲をやってみたり、これまでにないくらいthe pillowsの音に近い仕上がりになっていましたよね?

それはだから……そんな調子なら、俺、やめちゃうよっていうことですよ。音楽に人生を賭けない人と俺は一緒にやれないし、俺はひとりでもやるよっていう。ただ、ちょっとややこしいのは、『破壊的イノベーション』に入っている曲を作ったのは、その話し合いよりも前になるんだよね。

最悪解散するかもなっていうくらいダメだと思っていたけど

──あ、時系列がいろいろと複雑なんですね。

うん。で、先に言っちゃうと、この「ハッピー・バースデー」という曲も、実はその頃にもう作っちゃっていたんだよね。そんなことは知らないから、みんなまったく違う予測のもと、全然違うことを言ってくるんだけど(笑)。その話し合いをする前は、これ、最悪解散するかもなっていうくらいダメだと思っていたけど、そうやってモヤモヤしながらも、僕は日々音楽を作り続けているので。

──ソロ活動中は、いっさいメンバーと会わなかったんですか?

うーん、シンちゃん(佐藤シンイチロウ)とは会っちゃってたね。僕はTheピーズのライブに行くし、向こうも俺のソロを観にくるので。真鍋(吉明)くんとは、大晦日に一回だけthe pillowsのライブをやって……そのときだけだったかな?

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