BIGMAMA SINGLE「alongside」ディスクレビュー

alongside

SINGLE

BIGMAMA

alongside

RX-RECORDS/UK.PROJECT

2013.08.28 release

<CD>


何度でも、勝負曲

 今年3月にリリースされた5thアルバム『君想う、故に我在り』は、マスターピースになるべくして築き上げられた作品であり、BIGMAMAが初めて本気で大衆を意識した大きな分岐点でもあった。金井政人にインタビューすると「このアルバムでようやくバンドが完成した」「誰が聴いてもいい曲だと思える音楽を作りたかった」と力強く語り、作品の完成度とポピュラティに絶対的な自信をうかがわせた。僕もいよいよBIGMAMAがロック・シーンの 枠組みを越えて、幅広いリスナーの支持を獲得するときがきたと思ったし、例えばあのアルバムが10万以上のセールスを記録してもなんら違和感を覚えなかっただろう。しかし、結果的にはそこまで多くの人に届かなかった。無念千万の結果を踏まえて、それでもBIGMAMAが大きく前に踏み込んだ軸足はまったく揺らいでないことを、このニュー・シングル「alongside」は証明している。

 アメリカのイエローカードを筆頭に、洋楽のメロディック・パンク・バンドに刺激されたことから始まったバイオリンを擁する5ピース・バンドが、作品を重ねる度にオリジナリティを追求し、研ぎ澄ませてきたバンド・サウンドの説得力。そして、ときに鋭い批評眼をも垣間見せながら、奥行きに富んだ物語を綴るストーリーテラーである金井政人のソング・ライティングには、もはや黄金のポップ・ソングを書くメソッドが備わっている。リリックは、表面的にはラブ・ソングの体を成しているが、“alongside”=“〜の傍らに”、“〜に寄り添って”という意味を持つこの言葉が向かっているのは、不特定多数のリスナーであり、こういうタイトルを堂々と付けられることに、今のBIGMAMAのアティチュードが如実に表れている。“変わらぬまま変われるように”というラストのラインも、バンドの所信表明に置き換えられる。その意気やよし。絶対支持。

(三宅正一(ONBU))

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