cinema staff SINGLE「great escape」ディスクレビュー

great escape

SINGLE

cinema staff

great escape

ポニーキャニオン

2013.08.21 release


疾走感と緊張感に溢れたエモーショナルなナンバー

 “許し受け入れる”をコンセプトにした、メジャー1stフル・アルバム『望郷』を5月に発表し、攻めだけでなく包容力に満ちたサウンドを披露したcinema staff。彼らがリリースするニュー・シングル「great escape」は、『望郷』の世界観から一歩先に踏み出した彼らの姿を垣間見せてくれるナンバーだ。

 「great escape」は、話題のアニメ「進撃の巨人」の後期エンディングテーマとなっている。お題ありきでの楽曲の書き下ろし、そして、名プロデューサーに亀田誠治を迎えての制作は、彼らにとって初めての挑戦である。曲調について触れていくと、ソリッドなサウンドで疾走していくエモーショナルなサウンドは、これまでのcinema staffの持ち味を、より研ぎすました鋭さがある。異なるギター・フレーズが交錯し、随所随所にキメを入れていくビート感は、かなりタイトかつスリリング。飯田瑞規の歌う、切なさと熱さを合わせ持つメロディは、サビで一気に突き抜けていく爆発力がある。

 そして、三島想平による歌詞は、「進撃の巨人」をモチーフに書かれているわけだが、そこと切り離しても成立するものと言っていいだろう(それは、曲全体に関しても言えることだ)。「深い闇を俺は抜け出した。」「生きた屍みたいだった俺達は、壁の外へ。」というフレーズから感じ取れるのは、外に飛び出してこそ自分というものが見えてくる、と受け取れるし、外に出て初めて自分の存在意義、発したいことが伝わるんだというメッセージにも受け取れる。さらに、大サビの最後に、ふたつの違った声で歌われる「「俺はお前だ」」というフレーズがかなり印象的だ。それはまさに、己との戦いの表れ。前に進むために最も必要なのは自分の勇気。そうした想いが、この曲から感じ取れるのだ。

 かなり、楽曲の深読み話になってしまったが、モヤモヤしたものを突破していく破壊力がこの「great escape」には思いっきり詰まっている。アニメがきっかけでcinema staffを知った人も、これまで彼らを応援してた人も、充分に納得させるパワーがこの曲にはある。

(土屋恵介)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人