cinema staff – テレビアニメ「進撃の巨人」の後期エンディングテーマ「great escape」を書き下ろした彼らの現在、あらたなフェーズについて。

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5月にメジャーでの1stフル・アルバム(インディー時代から通算2作目のフル)『望郷』を発表し、全19ヵ所で開催された全国ツアーを成功させたcinema staffが、アニメ「進撃の巨人」の後期エンディングテーマでもあるニュー・シングル「great escape」をリリース。新曲は、cinema staffのソリッドな一面が存分に発揮された、突き抜けていくパワーに溢れたナンバーだ。

INTERVIEW & TEXT BY 土屋恵介

音は攻撃的で、僕の中の「進撃の巨人」のイメージに照らし合わせて

──「great escape」は、アニメ「進撃の巨人」がきっかけでスタートした曲ですか?

三島想平 はい。実は、エンディングのお話を受けてから書き下ろした曲なんです。こういう作り方は初めてだったので、すごい刺激になりました。ちょうどアルバム『望郷』を作り終えるくらいに、このお話をいただいたんです。僕らも『望郷』で今のモードを全部出し尽くして、アイデアが空っぽだったので(笑)。むしろテーマを提示されたものを作るというのは、良いタイミングでした。

──「進撃の巨人」のマンガやアニメも好きでしたか?

飯田瑞規 メンバーみんな好きなんです。
久野洋平 話が決まったときのモチベーションは相当アガりましたね。
辻友貴 僕もです。好きだったし、ビックリでした。

──今のアニメの中でも、いちばん注目されてると言って良いくらいですもんね。曲作りの作業はどのように進めたんですか?

三島 まず、音から作っていきました。最初にアニメサイドの方から、速い曲、団結する感じ、最終的にはポジティブにっていうのを提示されていたので、それを多少意識しました。それで、音は攻撃的で、僕の中の「進撃の巨人」のイメージに照らし合わせて作っていった感じです。普通、アニメのエンディング曲って遅い曲のような気がしてて、速い曲をと言われて意外だったんですけど、「great escape」が出来て、エンディングにも合ってると思ったし、ライブでも映える曲が出来たなと思いましたね。

今回、亀田さんとはクリエイティブな形で一緒に作業できました

──今回、亀田誠治さんがプロデュースですが、今まで外部の人のプロデュースってありました?

三島 ないですね。インディーズの1stミニ・アルバム(『document』)は、残響(record)の社長がプロデュースですけど、そのときの僕らはレコーディング自体が何もわからずだったので教育係って感じだったんです(笑)。今回、亀田さんとはクリエイティブな形で一緒に作業できました。曲自体は僕らが土台を作って、そのうえでアドバイスをもらう形だったんです。ホント素晴らしい方で、すごく良い空気でできました。曲についての良い提案をしてくれたり、迷ってるときにジャッジしてくれたり。
飯田 亀田さんはいろんなミュージシャンをプロデュースしてる方だし、僕ら緊張してたんですけど、ほんとに優しい方で、まるで昔から知ってるかのように接してくれて。なんでも相談できたし、レコーディングもスムーズに進んで……亀田さんが演奏しやすい環境を作ってくれましたね。
 怖い人だったらどうしようと思ってたけど、優しくて、わからないこともいろいろ聞きやすくて、すごくやりやすかったです。
久野 cinema staffのレコーディングの方法がちょっと凝り固まってたとこがあったんですが……そういうことにも気付かされたし、亀田さんと違うやり方ができて新鮮でした。録り音もこれまでとだいぶ違うし、演奏のテンションも違うものになりました。

──サウンドは、より立体的になりましたね。cinema staffらしさは残しつつ、ガツンといく力強さ、音の切れ味感が増したように感じます。

三島 僕らの持ち味を大事に残してくださったんですよ。普段の音のイメージは変わらずに、グレードの高い音になったと思います。僕らはいつもアナログで録っていたんですが、今回プロトゥールズだけなので質感が違うんですよ。バサッとした金属感がすごく出てると思います。

とにかく、聴きどころが多い。ここまでのことができるんだとわかった曲

──曲調で言うと、どんな部分にいちばんこだわりましたか?

三島 「進撃の巨人」のシーンを思い浮かべつつですね。立体起動で壁にバーンといって飛んでくイメージがあったので、曲に関しては、スピード感、仲間と泣きながら走ってる印象、あと、速度は落とさずにっていうのを意識しました。

──演奏面で難しさはありましたか?

久野 僕は楽しかったです。キメは多いけど、疾走感を意識して、細かいところもこだわって。レコーディングで亀田さんとドラムのテックさん(サウンド・メイクのサポートをするテクニシャン)が入って、音作りも相談して普段と違う音が出せて良かったし、普段、自分では選ばないセットを使ったのが新鮮でした。
 勢い感は重視してギターは弾きました。難しいところもあるんですけど、最初のフレーズは気合い入れて弾けるフレーズなので、ライブでやっても気持ちが入ります。
飯田 今までの中でいちばん、歌って演奏するのが難しかったんです。単純にギターの演奏がバッキングじゃなくキメが多くて。(アニメの)絵が付いて、その絵が変わる瞬間を想像して演奏しました。けど、そこに、メロディが乗るのが難しかったんです。
三島 たしかに、飯田が歌ってギターを弾くっていうのは難しかったと思います。キャッチーなメロではあるんですけど、譜割りと弾いてる音が違うんで。僕が、歌ってギターを弾くことをまったく意識しないで作ったので。オケを作ってるときにやり過ぎましたね(笑)。でも、それがいい緊張感を生めたと思います。
飯田 みなさんがカラオケで歌うときは大丈夫だと思うので、たくさん歌ってほしいですね(笑)。とにかく、聴きどころが多いのはいいことだなって。それに、僕らがここまでのことができるんだとわかった曲ですね。「進撃の巨人」というテーマがなくてもカッコいい曲だと思いますし。

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