Galileo Galilei SINGLE「サークルゲーム」ディスクレビュー

サークルゲーム

SINGLE

Galileo Galilei

サークルゲーム

SMEレコーズ

2013.08.21 release

通常盤/写真 <CD>
期間限定通常盤 <CD+DVD>


やはり彼らは“最高の未完成バンド”である

 3ピース体制となって最初に制作したミニ・アルバム『Baby, It’s Cold Outside』のリリースから約10ヵ月。Galileo Galileiのニュー・シングル「サークルゲーム」は、メンバーも愛してやまないアニメ作品「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の劇場版主題歌として書き下ろされたものである。バンドとアニメのそれぞれのファンには言うまでもないが、Galileoと「あの花〜」が手を組むのは、テレビ・シリーズのオープニングテーマ「青い栞」(2011年6月発表)以来であり、それは互いが描こうとしている物語性の核心が共鳴した、蜜月関係を成すコラボレーションだった。だから、Galileoが「あの花〜」劇場版主題歌も手がけるのは必然の流れだったわけだが、バンドの状況は編成的にも、音楽的な意味においても当時と大きく変わっていて、今にしてみればそういった変化を加速させるイントロダクションになっていたとも思える「青い栞」の次に、2013年のGalileoがどんな楽曲を「あの花〜」に当ててくるのか、非常に興味深かった。

 結論から書くと、この「サークルゲーム」は、バンドの音楽的な現在地を明確に示すと同時に、Galileoの心髄であるリリカルかつロマンチックな歌の様態がとても魅力的に際立っている。

 海外インディーロック・シーンとのフレッシュな共時性に執心し、言ってみれば、いかに邦楽的なサウンド・プロダクションから乖離できるかが、近年のGalileoが向き合ってきた最大のテーマだった。バンドにとって──いや、もっと言えばメイン・ソングライターである尾崎雄貴にとって、歌の存在は楽曲の中心ではなく、サウンド至上主義とポピュラー・ミュージックとの折り合いをつけるものにシフトしていったし、そこで培った方法論はたしかにGalileoのあらたな音楽像を浮き彫りにした。だが、「サークルゲーム」を筆頭に、このシングルの3曲で尾崎は完全に自身の歌を尊重している。サウンド・プロダクトにおける緻密さはそのままに、音像をよりミニマルにすることで、歌を楽曲の主役に据えている。

 このシングルではブルックリンのPOP ETC(ポップ・エトセトラ)を共同アレンジャーに迎えている(制作中のニュー・アルバムでもタッグを組んでいる模様)のだが、POP ETCがThe Morning Benders時代にリリースした’10年代を代表するインディー・ポップの名盤『Big Echo』に多大な影響を受けたであろうGalileoが、彼らと制作を共にすることで、自分たちが研磨している音楽性に対する“裏づけ”が取れ、そのことが雄貴の歌を解放したのは想像に難くない。

 アルバム、かなりの傑作になりそうな予感がする。すごく楽しみだ。

(三宅正一)

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