RIP SLYME – 1年ぶりの再始動を果たした彼らが、自身初主催となるフェス“RIP SLYME presents 真夏の WOW at STUDIO COAST”を敢行した。

RIP SLYME

RIP SLYME初の主催フェス“RIP SLYME presents 真夏の WOW at STUDIO COAST”が7月15日に新木場STUDIO COASTにて開催された。新曲「ロングバケーション」「ジャングルフィーバー」を引っ提げての5人でのライブ・パフォーマンスに加え、DJ、ダンサー、ホスト、さらに、各メンバーがソロ活動でもステージに登場。夏を盛り上げる、この日のお祭り騒ぎのレポートをお届け。

TEXT BY 宮本英夫

RIP SLYMEづくしのおいしいフェス

 RIP SLYME“初の”主催フェス。おや、そうでしたっけ? と思って調べると、なるほどそのとおり。野外ライブは2003年と2004年に東京と沖縄で、そしてクリスマス・ライブはほぼ毎年開催しているものの、フェス形式の主催イベントはたしかに今回が初である。しかも出演者がThe Beatmoss、PES(ソロ)、アスタラビスタ、そしてRIP SLYME……と、カニづくしやフグづくしの豪華さを連想させるような、RIP SLYMEづくしのおいしいフェス。しかもステージは3つあり、メインの“ARENAステージ”以外でもノンストップでDJやライブ・パフォーマンスが、さらにFOODエリアではメンバー・プロデュースのフードも味わえるのだから、比喩ではなく本当に“おいしい”フェスである。もちろんチケット2500枚は瞬間ソールド・アウト。新木場STUDIO COAST周辺は入場を待つ人々の長蛇の列が続き、真夏の真昼間からパーティのような大にぎわいだ。
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柔らかくて端正な歌声と、変幻自在のホットで緻密なバンドの演奏

 会場に一歩足を踏み入れると、ひんやりとした空気と爆音でかかり続けるダンス音楽、暗く妖しい照明は、フェスというよりは夜のクラブそのもの。テーブルの上ではいきなり股間モッコリ、ムキムキのポール・ダンサーたちがくねくね踊り、子供たちは顔を赤らめ大人たちははしゃぎまくる、エッチでシュールだがどこかユーモラスな演出にもRIPならではのセンスがキラリ。さらに奥深くへ潜入すると、ARENAエリアではLEO CANDYCANEが絶賛DJ中。音も楽しいが奇抜なファッションはもっと楽しい、目も耳も楽しませてくれるLEOのDJが終わると、午後1時、いよいよThe Beatmossの登場である。もしかしてこのバンド、“ILMARIがボーカル”という予備知識しか持たない人もいるかもしれないが、メンバー全員の演奏が達者で実に個性的。何よりバンドとしての一体感が予想以上に素晴らしく、1曲目「FREEDOM」から得意のミクスチャー/ダンス/パンク/ポップがゴチャマゼになったような、ハードでキュートな魅力いっぱいのバンド・サウンドをぶちかます。
「曲知らないっぽいけど、RYO-Zくんの言葉を借りると、“知ったフリしろ!”」
 なんとなく様子見のファンに向けたILMARIの、機転の効いたセリフに笑いが起こり、空気がなごむ。ちなみにこのセリフ、開演前にギターのKOSENのためにRYO-Zが授けた、“話に詰まったときに言うひとこと”だったのだが、ILMARIがいきなり横取りしたという事実が、このあとのMCで暴露されたのであった。それはさておき。ILMARIの柔らかくて端正な歌声と、変幻自在のホットで緻密なバンドの演奏は、実にベスト・マッチング。良質な歌ものロックとしてのポテンシャルを、しっかりと見せてくれたのではなかろうか?

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長いフェス中の一服の清涼剤にも似た、シュールな苦笑い

 「このあとは全然空気が変わるから(笑)」というILMARIの紹介で、間髪入れずDJステージに登場したのは“GANGURO”の桐島一斗と一条ニ三弥。誰だそれは! というと、つまりSUとFUMIYAのDJユニットで、コンセプトは“ホストの心でおもてなし”(←たぶん)。歌舞伎町のホストクラブからホストたちも大挙出演し、ふたりがプレイするちょっと懐かしい感じのテクノやハウス系のビートに乗せて「もっともっともっと!」と、無理矢理人を笑顔にする豪快なホスト芸を披露。長いフェス中の一服の清涼剤にも似た、シュールな苦笑いを残して風のように去っていったのであった。

キレのいいファンキーなカッティングをグルービーに決めて見せる

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 さあ、お次はPESのソロだ。DJ NONとふたりだけのシンプルな編成で、白シャツ、白パンツ、日焼けした笑顔、ヨコワケハンサムな平成の若大将スタイルで、エレキ・ギターをかき鳴らしながら爽やかに歌うPES。“シャバダバ”コーラスが楽しい「素敵なこと」、洗練されたソウル・ポップの「シーサイドラバーズ」など、’90年代にかつて渋谷系と呼ばれたサウンドを彷彿させるクールでポップなスタイルと、伸びやかなPESの歌声がばっちりハマッてる。「今朝は5時まで眠れなくて、ボーッとしてます(笑)」と言いつつ、ゆるさとカッコよさのギリギリのところをとことん攻めるのがPESらしい。「パーティーはどこだ!」では、盟友・WISEとTarantula(Spontania)をステージに迎え入れ、3本マイクでにぎやかに。ラストは「女神のKISS」で、キレのいいファンキーなカッティングをグルービーに決めて見せるPESの姿は、文句なしにポップでカッコよかった。
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 次は誰?……言わずと知れた、中田ヤスタカですよ。ただでさえ盛り上げ上手なDJなのに、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅなど自作の大ヒットをガンガンぶち込むセット・リストは、もはや反則レベル。たぶん夜のクラブに行ったこともないような子たちが、全員大合唱でグイグイ盛り上がる、その様子は壮観のひとこと。さらにRIP SLYME「熱帯夜」リミックスではILMARIが乱入し、自身のパートを生ラップする! といううれしいオマケつきですよ。

自称・パーティのプロフェッショナル集団。そのパフォーマンスは圧巻

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 と、ここでちょっと中抜けして“WATER” エリアを覗きに行くと、そこにはFUMIYAが今一押しの女子二人組・バクバクドキンがプレイ中。PCとマイクだけのライブはきわめてシンプルで、「女子校生とストーカーのラップ作りましたー」などと曲紹介しつつ、相当ゆるめでなおかつ過激な、傍若無人なほどにポップな曲をガンガンやりまくる。うーん新世代登場ですねーと思いながらARENAステージへ戻ると、すぐに次のパフォーマンスはRYO-Z率いるアスタラビスタ。というか、LITTLE(KICK THE CAN CREW)、YUTAKA(Full Of Harmony)、GooF(SOFFet)、MASSATTACK(Spontania)、DJ ISO(MELLOW YELLOW)というこのメンツ、とんでもないスーパー・グループだということにみなさんお気づきだろうか? これで盛り上がらなかったらお客さんが悪いに違いない、自称・パーティのプロフェッショナル集団。そのパフォーマンスは圧巻のひとことで、息の合った振り付けや絶妙なマイクリレーで、「シンコパティーン」「カルテル」「北谷グラフィティ」と、iTunesで配信中のヒット・チューンを中心にグイグイ盛り上げる。途中、ヨースケ@HOMEがハーモニカで飛び入り参加(直前にいきなり言われたらしい)するなど、ファミリー感いっぱいの楽しいライブで、パーティを完全にロックする興奮のパフォーマンスを見せてくれた。
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 今何時? そうね、だいたいね。午後5時過ぎということは、フェスがスタートしてから4時間経過。しかし疲れてるヒマなどなく、もちろんパーティはここからだ。DJブースに登場した田中知之(FPM)のプレイは、「今夜はブギーバック」のハウス・バージョンで華やかにスタートし、ダフト・パンク、オアシス、小田和正などなど、誰もが知る大ヒットのBPMを変えたりトラックを変えたり、大胆不敵な大技連発はさすが田中はん。そして最後の曲、田中知之プロデュースでRIP SLYMEのプレ・デビュー曲「マタ逢ウ日マデ」をかける前に、感動的なスピーチを──。
「彼らと最初に会って、曲を聴いて、驚きました。“君たち、1〜2年以内に武道館でやれるよ”と言ったんですが、彼らはそれを自分たちの力で実現しました。そしてそのあとは、君たち(ファン)が彼らを応援してくれて、そして今があります。今日は特別な気持ちでDJやってます」

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