ORANGE RANGE ALBUM「spark」ディスクレビュー

spark

ALBUM

ORANGE RANGE

spark

SUPER((ECHO))LABEL/SPEEDSTAR RECORDS

2013.07.24 release

完全初回生産限定盤/写真 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


シンプルなバンド・サウンドが斬新なニュー・アルバム

 昨年、CDデビュー10周年にORANGE RANGEが発表したアルバム『NEO POP STANDARD』は、全曲打ち込みで作り上げられた作品だった。これまでとはガラリと違う雰囲気に、驚きを感じたリスナーも多かったはず。ギターでリーダーのNAOTOによる、作り込む作風に特化したサウンドは、チャレンジし続けるORANGE RANGEの姿勢を明確に表したもの。またその時々のモードをリアルに体現する彼らの、言ってみれば通過点でもあったわけだ。

 そして、1年3ヵ月ぶりにリリースされるニュー・アルバム『spark』は、またもや一気に作風がチェンジし、シンプルなバンド・サウンドで作り上げられた作品となっている。音数を極限まで減らし、音作りもかなりタイト。ラウドに突き抜けるものとは違う、生っぽい音像がとても印象的だ。ジャンル的にも、これまでの彼らが手をつけてこなかったところに足を踏み入れているのも新鮮である。歌詞も、アルバム全体を通じて、サウンドとリンクするようにシンプルなものとなっている。

 アルバムの幕を開ける「Show Time」は、ライブで一緒に盛り上がろうと歌う、サーフ・ロック、サイケデリック・ロックを織り交ぜた勢いのあるナンバー。「マイペース」は、’60年代のGSサウンドを彷彿させ、「Special Summer Sale」ではスカ/レゲエ・フレイバーのサウンドを聴かせる。ギター・リフで押していく「リフラフ」では、HIROKI、RYO、YAMATOのラップの掛け合いが全開。ファンキーかつメロウな「トーキョーガールズコネクション」のあとには、90’Sグランジ感たっぷりの「Suck it!」。「もしも」は、メロディアスでグルーミーな、まさにサイケデリック・ポップといった世界観を見せる。NAOTOの楽曲だけでなく、ソリッドなビートと和なテイストも感じるメロディがマッチした「オボロナアゲハ」、エレクトロニカ、ポスト・ロックのフレイバーも感じる「そばにいつでも」と、ベースのYOHの手がけた楽曲も収録され、アルバムの振り幅をグッと広げている。

 削ぎ落としたサウンドのみで作り上げられた楽曲ばかりということもあり、ライブで有機的に変化していくのも間違いなし。この新作から、ORANGE RANGEのロック観は、さらに“spark”していくことだろう。

(土屋恵介)

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