Lyu:Lyu DIGITAL SINGLE「Seeds」ディスクレビュー

Seeds

DIGITAL SINGLE

Lyu:Lyu

Seeds

SPACE SHOWER MUSIC

2013.07.17 release

※配信限定


バンドの本質を射抜く新曲「Seeds」

’13年3月に1stフル・アルバム『君と僕と世界の心的ジスキネジア』を発表。誰もが感じているはずの“生きることの困難と葛藤”そして“どこかにあるはずの光を探したい”という切実な願望をシャープかつエッジ—なオルタナ・サウンドとともに描き出し、強烈な支持を獲得した3ピース・バンド“Lyu:Lyu”が配信シングル「Seeds」をリリースする(7月17日配信開始)。アメコミ版「サイボーグ009」のテーマ・ソングとして書き下ろされたこの曲は、これまでのLyu:Lyuの最高峰と言っても過言ではない、普遍的なパワーを持った名曲だと思う。

“「ああ 感情なんてもう/消えてしまえ このまま/こんなに痛いなら」”というフレーズから始まるこの曲には、Lyu:Lyuの現時点における音楽的な本質がまっすぐに描かれている。人はみな、生まれた瞬間は祝福され、真っ白で無垢な状態にある。しかし、その後、様々なことを経験するなかで、悲しみや痛み、葛藤を抱えるようになり、未来に希望が持てなくなる——おそらくはそれこそが、コヤマヒデカズ(vo、g)の基本的な人間観、世界観(世界についての考え方、見方)だと思う。だが、Lyu:Lyuの音楽は決してニヒリズムや厭世主義に逃げ込むことはない。そうではなく、“でもこの痛みこそが/あなたを感じられる/ただ一つしかない方法”というフレーズを放つことで、人間の存在そのものを根本から肯定してみせるのだ。その強さこそが、Lyu:Lyuの本質なのだと思う。

「サイボーグ009」もまた、同じような構造を持つ作品だ。サイボーグ兵士に改造されてしまった9人の戦士が、孤独と葛藤を抱えながら、強大な敵に戦いを挑むというストーリーは、Lyu:Lyuの音楽世界と重なる部分がきわめて多い。「Seeds」は単なるタイアップ・ソングではなく、強い必然性のもとに書き下ろされた楽曲だと言っていいだろう。

 オルタナ、グランジ、メロコアなどを(たぶん、無意識のうちに)内包しているバンド・サウンド、そして、生々しい感情と重なり合いながら、爆発的なカタルシスをもたらしてくれるメロディ・ラインもさらに向上。「Seeds」によってLyu:Lyuは、その強烈な個性をさらに広いフィールドで打ち鳴らすことになるだろう。

(森 朋之)

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