RIP SLYME SINGLE「ジャングルフィーバー」ディスクレビュー

ジャングルフィーバー

SINGLE

RIP SLYME

ジャングルフィーバー

ワーナーミュージック・ジャパン

2013.07.10 release


更新する、夏

 M1「ジャングルフィーバー」とM2「真夏のWOW」を聴いて思い出した、“RIP SLYMEと夏”をめぐるふたつの事柄。

 ひとつは、2001年の“ROCK IN JAPAN FESTIVAL”。この年の3月にシングル「STEPPERS’ DELIGHT」でメジャー・デビューした彼らは、7月に1stアルバム『FIVE』をリリース。ジワジワとその存在を浸透させていたが、ブレイク前夜という状況だった。そんななか迎えた8月5日、“ROCK IN JAPAN FESTIVAL”の最終日。彼らは直前でキャンセルとなったSugar Soulの代打として急遽、最大規模のステージであるGRASS STAGEに立った。言うまでもなく、状況はあきらかにアウェーだった。ライブ序盤はステージに現れた4MC+1DJのパフォーマンスを傍観している人が多かった。しかし、彼らは底抜けに明るい陽性のパーティ・ラップで徐々にオーディエンスの興味を惹き付け、会場の熱量を右肩上がりに上げていった。RIP がイチから何万人単位のオーディエンスを魅了してみせた記録としても、かなり貴重なライブだったと思う。あれから12年──。ちなみに翌年の同フェスでは堂々と初日のトリを飾り、ドラマチックな凱旋を果たしたことも記しておく。

 もうひとつは、なんといっても2002年6月、つまり前述した“ROCK IN JAPAN FESTIVAL”緊急出演の翌年にリリースされた「楽園ベイベー」の存在である。イントロのアコギによるアルペジオから豊潤な夏の気配を漂わせるボッサ風味のトラックと、パンチライン連続のマイク・リレー(特にPESのヴァースが素晴らしい)は今も色褪せない。“RIP SLYMEと夏”の代名詞であり続けている「楽園ベイベー」が世に送り出されてから11年──。

 詳しくは特集内にアップされているインタビュー記事を読んでほしいが、前シングル「ロングバケーション」から再び動き出した今のRIPは、能動的にあらたなフェーズを切り拓こうとする気概を示している。現在進行形の洗練と熟成が絶妙に調和した、ダブルAサイド的な趣さえある「ジャングルフィーバー」と「真夏のWOW」が、“RIP SLYMEと夏”をどのように更新するのか。リスナーの反応も含めて楽しみだ。

(三宅正一)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人