三浦大知 SINGLE「GO FOR IT」ディスクレビュー

GO FOR IT

SINGLE

三浦大知

GO FOR IT

avex trax

2013.07.10 release

MUSIC VIDEO盤/写真
CHOREO VIDEO盤
CDのみ盤


次のR&Bのカタチを生んだ、Something Newな一発

 6月30日の東京国際フォーラムを皮切りに、現在、全国ツアー中の三浦大知。これがまあ本当、攻めに攻めまくるライブになっている。ツアーのタイトルは“Door to the unknown”。未知への扉。ツアーが始まる前にある雑誌で本人にインタビューした際、今まででいちばんコンセプチュアルで、お客さん自身が自分でも気づいていない感覚を刺激するものにしたいと言っていたが、まさにそういう内容だ。攻めといっても今回は“aggressive”というより“progressive”な感じ。それに一分の隙も見せないくらい、作りに作り込まれているので、ひょっとしたら置いてけぼりを喰らう人もいるかもしれない。そういう意味じゃあ、今回の大知は超ドS。でも、彼はこれまでも時機をみて、前衛的なスタイルに果敢に挑戦し、ファンやリスナーをびっくりさせると同時に、ひとつ先の“新しい何か”を提案してきた。例えばアルバム『D.M.』の幕開け曲「Black Hole」。これが発表されて以降じゃないか、日本の音楽シーンでダブステップという言葉が広く使われ始めたのは。

 そんな大知の新曲「GO FOR IT」。これもSomething Newな一発だ。今、日本の歌モノのダンス系の曲を見わたすと、程度の差こそあれ、猫も杓子もEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)やエレクトロ・ハウスといった感じだが、これは違う。

 今回、大知が繰り出すのは、派手なブラスが気分を盛り上げ、リズミカルなギター・カッティングが腰を直撃するファンキー・チューン。ロックも4つ打ちもファンクもヒップホップも飲み込んだ、いろんな音楽のハイブリッド・サウンドだ。しかも、今、欧米を席巻しているダフト・パンクの「ゲット・ラッキー」やロビン・シックの「ブラード・ラインズ」、今春届いたジャスティン・ティンバーレイク「スーツ・アンド・タイ feat.ジェイ・Z」やクリス・ブラウンの「ファイン・チャイナ」あたりに見受けられる’70年代ディスコ/ニュー・ソウルへの回帰も敏感にキャッチしていることがうかがえる仕上がり。海外のR&B界に起こり始めた脱EDMのサインをいち早く捉え、同じ足並みで体現し、なおかつ自分のフィルターを通してオリジナルなモノにしてみせた。

 “GO FOR IT”は、目標やゴールに向かって何か挑戦するときに“やってみるよ!(頑張って!)”というニュアンスで使う言葉。大知の飽くなき向上心と挑戦心は「GO FOR IT」という、次のR&Bのカタチを生んだ。ファンキーなサウンドによるワクワク感と、ここから何か新しいことが始まりそうなワクワク感。ふたつのワクワクがこの曲には溢れている。

(猪又孝(DO THE MONKEY))

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人