RIP SLYME – 新作「ロングバケーション」、「ジャングルフィーバー」を引っ提げて、1年ぶりの再始動を果たした彼らのあらたなフェーズとは?

RIP SLYME

各メンバーがソロ活動などに専念した2012年を経て、今年5月にリリースした「ロングバケーション」で再び精力的に動き出したRIP SLYME。オリジナル曲としては「STAIRS」以来、実に4年3ヵ月ぶりのシングルだった「ロングバケーション」は、そのタイトルとは裏腹に、まるで空白期間などなかったかのように平熱のままリスナーを高揚させるメロウネスに彩られたトラックとマイク・リレーでRIP SLYMEの顕在ぶりを示した。そこから間断なく送り込まれるニュー・シングル「ジャングルフィーバー」は、まもなく訪れる本格的な夏の到来をピンポイントで捉えた内容になっている。カップリングの「真夏のWOW」と併せて、“「楽園ベイベー」から11年後のRIP SLYMEが更新するサマー・チュ—ン”というフレーズがよぎるのは筆者だけではないだろう。あらたな音楽活動のシーズンを迎えたRIP SLYMEは、どのようなモードにあるのか。RYO-Z、ILMARI、PESの3人に聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 三宅正一

それまでとは違う新鮮な部分がありつつ、逆にいつもどおりの感じもある

──どこでも聞かれてるとは思うんですけど、久しぶりにRIP SLYMEとして動いてる感じはどうですか?

RYO-Z えー、そうですね、やっぱり非常に楽しいです。動き出したら、さっそくバタバタしてきたなという感じもありつつ。去年だいぶのんびりしていたので余計にそう感じるんだと思うんですけど。
ILMARI 1年のお休み期間でみんなそれぞれ個人活動をして、こうしてまた集まると、それまでの10年間とはまた違う新鮮な部分がありつつ、逆にいつもどおりの感じもあって。それが同居しているのが面白いですね。

──新鮮な部分とは?

ILMARI いろいろありますけど、今さらRIP SLYMEのロゴを作ってみたりとか(笑)。あとは、MVの制作とかもこれまで以上にメンバーが中にグッと入り込んでる感じがあったり。レコーディングのやり方にしてもメンバーでジャッジする要素が増えてますね。

──意識的にそうなったんですか?

ILMARI 意識的に、ですね。今までの10年とはまた違うアプローチで活動できたらいいなというのもあるし。
PES 前の10年と同じことをやってもしょうがないので。いいところは残して、悪いところは是正しながらやれたらという感じですよね。その是正の仕方をどうするかですよね。前だったらスタッフとぶつかったり、噛み合わないところもあったんですけど。

──それは曲の方向性を決めたりするときに?

PES まあ、あらゆる面で。でも、いいところはすごく良かったりもするので、摩擦が出てきそうだったら事前に油を入れたりとか。

──潤滑油を。

PES そうそう。そういうところはソロをやって学んだところでもあるし。仕事をするなら楽しいほうがいいじゃないですか。そういう意味では、計画をきちんと進めながら活動をリスタートできた感じはありますね。グループのロゴを作って、夏前にシングルを2枚出して、RIP SLYME初主催のサマーフェスティバル・イベント(“真夏のWOW at STUDIO COAST“)もやってっていう。イベントではそれぞれのソロ・ワークのライブもやるので。それはこの1年があったからできることだし。

──RIPの活動を再開してもソロ活動を封印するわけでもないし、一緒にイベントをやっちゃうところがこのグループのらしさというか。

RYO-Z そうなんですよね。仲間が増えたみたいな感じで。でも、意外にも自分たち主催イベントは初めてなので。やっとこういうことができるようになったのかなという感慨もあって。

──いい感じの流れですよね。

PES うん。当初はどれくらい何が実現するかわからなかったんですけど、ここまではストレスなく、皆さんにいろんなご提案ができてますね。しっかり事前に準備して臨むのが前のRIP SLYMEにはなかったところで。

──前はもっと行き当たりばったりだった?

PES そうっすね。自分たちのイメージを世間に伝えるときに、どういう手段でやったらいいかわからなかったし、スタッフもメンバーの意見をどう吸い出したらいいかわからないみたいな。そういう細かいことの積み重ねがストレスになったりすることもあって。でも、アルバムを出してツアーをやってライブをすると、楽しいからすぐに解消されて“ま、いいか”ってなっちゃうんですよ。

──そのある種の楽観性がRIPの良さだったりもするし。

PES そうなんですよね。そこはこのグループの良さでもあるので、必要以上にシリアスになることはないし、“普段からちゃんとスタッフと話し合って準備すればいいんじゃない?”っていう。お互い楽しくやるために。

個人的に学んだことはすでにいろいろフィードバックされてる

──やっぱりさきほど、PESさんもチラッと言ってましたけど、1年間それぞれソロ活動なり、お休みをしてRIPを俯瞰で見れたのは大きいですよね。

RYO-Z 大きいですね。それぞれが個人的に学んだことはすでにいろいろフィードバックされてるし、これからもされていくと思います。

──例えばどんなことだったりしますか?

RYO-Z 僕はまた違うグループ(アスタラビスタ)を組んだので。メンバーシップみたいなところは、またRIPとは違う部分を学ぶことが多かったですね。アスタラでは最年長でしたし、それも踏まえつつ、グループ全体をうまくコントロールしなきゃいけないという責任感もあったし。それ以前にいつも飲みに行ってる仲間と組んだので。なんの気兼ねもないんだけど、より楽しくできるようにグループをまとめられたらなと思って。楽しく勉強できた感じです。

──クラブで遊んでる延長であらたなグループが生まれるという現場感もフレッシュだっただろうし。

RYO-Z そうっすね。アスタラでは1ミリの迷いもなく、カジュアルなスタイルで音楽を楽しめてるんですよ。だからこそ、一方のRIP SLYMEではスタッフとのコンセンサスも取りつつ、緊張感のある活動を楽しめるなと思って。その両方を味わえるのはすごくいいですね。

──ILMARIさんのソロ活動は、The Beatmossというロック・バンドを結成するという、最もドラスティックなアウトプットの変化があったわけですが。

ILMARI そうですね。時間が1年空くということで、PESくんはソロをやるし、RYO-Zくんはアスタラやるし、俺もなんかやろうと思って。その前の年からギターのKOSENくんと出会っていたので、まずは、デビュー云々は置いておいて、活動を始めたんですけど。対バンでいろんなライブハウスに出させてもらったりとか、RIPとはまた違う経験ができたので、すごく楽しかったですよ。あとはやっぱり、RIPのメンバーのソロ活動を俯瞰で見れたのは新鮮でしたね。PESくんのライブを観に行ったり、クラブでは僕のDJのあとにアスタラのライブを観たりして。“ステージのPESくんやRYO-Zくんってこういうふうに見えてるんだ”って、お客さん目線でなるほどと思えたので。
RYO-Z ふふふふふ。

──バンドのボーカリストを務めた経験を経て、RIPでマイクを持つときにフィードバックできることって何かありますか?

ILMARI ああ、そこはまだあまりわからないかなあ。
RYO-Z でも、ギターを持ってステージに出て歌うわけだからね。普段、ラップに特化しているのとは違う学びがあるだろうね。
ILMARI そうっすね。そこはこれからRIPの制作を重ねて見えてくることがあるかもしれないし、ないかもしれない(笑)。ただ、NOAH(リハーサル・スタジオ)の人と顔見知りになれたのはうれしかったですね(笑)。

──そのエピソードはアツいっすね(笑)。PESさんはメンバーの中で最も精力的なソロ活動をしていたから、そこで得たものを強く実感していると思うんですけど。特に曲作りの面で付いた筋力はかなりあるでしょう?

PES そうですね。ソロではバンドで、生音主体でやっていたので。ヒップホップ的な方法論とは違う、音楽的な曲作りの仕方を学べたのは大きかったですね。“メンバーにコード譜を渡さないと始まらないんだ。そりゃそうだよな”みたいな(笑)、基本中の基本からいろんな気づきがあって。そういう経験を経て、RIP SLYMEにも貢献できることがあったらいいなとは思いますけどね。

──ソロをやっているときにRIPの曲のアイデアが浮かんだりすることもあったんですか?

PES いや、それはなかったかな。基本的にRIP SLYMEの音楽の根幹はFUMIYAくんだと思っているので。いずれ新しいアルバムを作ると思うんですけど、そこに向けた曲作りにおいてはFUMIYAくんがガーッと作って、要素的にこういう曲があったらいいなと思う種類の楽曲を僕がサポート的に作れたらいいかなという感じですね。基本的にそこは今までと変わらないです。

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