東京カランコロン SINGLE「16のbeat」ディスクレビュー

16のbeat

SINGLE

東京カランコロン

16のbeat

avex trax

2013.07.10 release

初回生産限定盤/写真 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


燃えたぎる16歳の想いが爆発のニュー・シングル登場!

 インディーズ・シーンで活躍後、昨年8月にミニ・アルバム『ゆらめき☆ロマンティック』でメジャー・デビューを果たしたロック・バンド、東京カランコロン。いちろー(vo、g)、せんせい(vo、key)、おいたん(g、cho)、佐藤全部(b)、かみむー氏(ds)からなる彼らは、今年2月にメジャー1stフル・アルバム『We are 東京カランコロン』を発表し、初のワンマン・ツアーが全公演ソールド・アウト。ファイナルの赤坂BLITZ公演も大成功と、ひと際注目を集めている。

 そんな彼らがメジャー1stシングル「16のbeat」をリリース。

 新曲は、“ある16歳の少年が東京カランコロンの曲のギターをコピーする”というテーマで書かれた曲。タイトに疾走する16ビートのドラムに、サイケデリックなギターとオルガンがうなりを上げる。歌詞には、好きな音楽に出会ってしまった衝動、ほかの人は知らないものを聴いてる優越感など、16歳の頃に誰もが持つ感覚とスピード感が描かれている。16歳の想いと高速の16ビートという、言葉とサウンドのシンクロという遊び心がニクい。“考えてみると、自分が16歳のときもこんな感じだったよな”と、聴き手に回想と共感を想起させる手腕はさすがと言ったところ。それを明るいメロディで歌う、いちろーのボーカルがなんとも痛快だ。「思ってる事が全部伝わんなくても 最後まで行こうよ」という、サビの突き抜けっぷりも、怖いもの知らずの16歳らしさが全開。間奏に入るカオス気味なギターのけたたましさも、訳わからない希望と野望に満ちた脳内を描き出しているかのようである。
 
 また、「ややこしいアレンジ、難解なフレーズ、僕にぴったりだ」というフレーズは、ずばり東京カランコロンのサウンドを指している。この曲は、“ある16歳の少年が~”という設定ではあるが、実は東京カランコロンの、バンドの根底にあるものを歌った楽曲と言っても良いんじゃないだろうか。ひねりが加わりながらも、どストレートな小気味良さを曲から感じるのは、そのせいでもあるように思えてくる。とにかく、前しか見てないブッちぎり感の伝わってくるサウンドは無敵。夏のライブで、この曲の持つ爆発感がフルに発揮されるのは間違いないでしょう。

 では、カップリング曲にも触れていこう。「It’s more wonder」は、紅一点のせんせいが歌う、70’Sティン・パン・アレイ系のシティポップス・テイストなナンバー。都会の日常にある不安感と、はみ出したい刺激を求める想いを歌う、大貫妙子や矢野顕子に近い雰囲気のせんせいのボーカルが、むやみに深刻さを感じさせないところがまた良い。「いつも不安だ It’s more wonder(いつもワンダー)」という言葉遊びが、これまた良いスパイスとなっている。後半を、いちろーが歌っていくことで、男女関係なく同じ悩みを持っているよと訴えかけているようにも聴こえてくる。さらには、ブルージーなギター・ソロが曲をさらに引き立たせるのも、さりげないポイントだ。そして、「頭から離れないかも」は、描写のみで恋の燃えたぎり感を伝えるナンバー。フリーキーなフレーズが乗る淡々としたビートから、サビで一気に高速化。時報のようなベースの音でエンディングを迎えるという、意味ありげな感じが東京カランコロンらしいじゃないか。

 また、5月12日の赤坂BLITZでのライブ音源「ハートフルホット」「ラブ・ミー・テンダー」の2曲も収められ、彼らのライブでの熱さを垣間見れるのもうれしいところだ。シングルながら全5曲収録というボリュームだけに、ちょっとしたミニ・アルバムのような感覚で、現在の東京カランコロンの勢いを感じられる作品といっていい。

(土屋恵介)

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