COMEBACK MY DAUGHTERS ALBUM「Mira」ディスクレビュー

Mira

ALBUM

COMEBACK MY DAUGHTERS

Mira

日本コロムビア

2013.07.03 release

<CD>


Mira(変光星)が照らしだす僕らの現在地

 長く在籍した戦友と呼ぶべきPIZZA OF DEATH RECORDSから巣立ち、本作『Mira』で日本コロムビアへと移籍を果たしたCOMEBACK MY DAUGHTERS(以下、カムバック)。結成15年目のメジャー・デビューというマイペースっぷりが実にこのバンドらしいが、通算5作目となるニュー・アルバムも、彼らの魅力が存分に発揮された素晴らしい出来! ドラムの中津川、そしてキーボードの小坂と相次ぐメンバー脱退、さらに環境的な変化が重なって“カムバック、どうなっちゃうの……?”という少々ヤキモキした思いもあったけれど、こと音源に関しては、それはまったくの杞憂だった。

 前フル・アルバム『Outta Here』(’11年リリース)同様、今作もニューヨークでのレコーディングを敢行。約20日間にわたって寝食を共にしながら音を紡ぎ上げたことで、純粋に気の合う仲間としての無邪気でFUNなバイブスが詰め込まれているように思う。わかりやすいトピックとしては、今作のいくつかの楽曲で初めて日本語詞が導入されたこと。別段違和感のようなものはなく、むしろメッセージやストーリー性が明瞭となり、「Please, Please, Please」などはとてもチャーミングな楽曲に仕上がっている(それにしてもBRAHMANといいthe band apartといい、10年以上のキャリアを誇るバンドがほぼ同時期に日本語詞を取り入れた、このシンクロニシティはなんなんだろう?)。サウンドとしてはハンドメイドな『Outta Here』の延長線上にあるもので、アコースティック・ギターやバンジョーなど生楽器を用いたナチュラルな音像が心地いいのなんの(ザ・ビーチ・ボーイズ ライクな「21 years old」、80’sポップ感溢れる「Alone in the dark」などの新境地も!)。おそよ邦楽的なトレンドとは無縁ながら、等身大の青春とエモーションを鳴らした瑞々しい輝き(ある場面では底深い喪失感も)が全編に満ちていて、なかでもメンバー全員によるコーラスとストンプが印象的なゴスペル調の最終曲「El Dorado」は、“あなたが望まなくても 僕らはやめない”という決意表明的リリックとあいまって実に感動的。もし少しでも本作のフィーリングに魅了されたなら、処女作にして名盤『Spitting Kisses』までさかのぼってカムバックのディスコグラフを紐解いてほしい。グッド・ソング、いっぱいありますよ。

(奥村明裕)

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