[Champagne] – 来年3月には日本武道館公演も決定した[Champagne]。フロントマンの川上洋平が、今作について、そして、歌詞に対するある思いを語る。

[Champagne]

世界一のロック・バンドになって、“グラストンベリー・フェスティバル”のステージに立つこと。そんな大風呂敷を広げながら、これまで作品を追うごとに着実なステップ・アップを果たしてきたバンド、[Champagne]。ニュー・アルバム『Me No Do Karate.』は、4人にとってこれまで最大のジャンプ・アップとなるに違いない、「This is [Champagne]!!」と呼びたくなるような堂々たる作品となった。もともと頭抜けたプレイヤビリティとアイデアに満ちたアレンジで、閉塞感のある日本のロック・シーンに大きな風穴を開けてきた[Champagne]。そんな彼らが、これまでになく力強いメロディとストレートな歌で真っ向勝負を仕掛けたアルバム『Me No Do Karate.』。その手ごたえ、そして現在のバンドを取り巻く状況について、川上洋平が率直に話してくれた。

INTERVIEW & TEXT BY 宇野維正

“Me No Do Karate”、空手デキマセンって言い返すっていう、そんな毎日

──いきなりですけど、とてもいいアルバム・タイトルですね(笑)。[Champagne]のアルバムって、毎回ちょっとヒネリの効いたタイトルでしたけど、今回はヒネリが効いているだけでなく、実はこのバンドの本質を突いたタイトルだなって。

これまではあんまり意味のないタイトルにしてたんですけど、今回はちょっと違って。10代前半をシリアで過ごしていたんですけど、そのとき、東洋人ということですぐにブルース・リーとかジャッキー・チェンだとか言われて。彼らにしてみたら日本人も中国人も同じで、みんな目の細い東洋人ですから。道行く人に“ジャッキー!”とか呼ばれて。明らかに偏見なわけですけど、まぁ、笑える範囲というか、軽い感じの茶化しだったから。そういうとき、僕も片言英語で“Me No Do Karate”、空手デキマセンって言い返すっていう、そんな毎日を送ってたなって。

──このタイミングで、そんな川上さん自身の10代の記憶を蘇らせるようなタイトルにした理由は?

5月にイギリスでライブがあったんですけど、その前にアルバムのタイトルを考えなきゃいけなくて。ちょうど“海外でやるんだな”って気持ちだったこともあって、海外でちょっとした茶化しや自虐を入れて自分たちのことを紹介するフレーズみたいな感じで急に思い出したんですよね。メンバーに言ったら、みんな大爆笑してくれたので、“あぁ、これで良かったんだな”って。

──ジャケット写真にメンバーが出るのもこれが初めてですよね?

そうですね。デビューから4年経って、“これが[Champagne]だ!”っていうひとつの区切りとなる作品が出来たと思ったので。

僕らにはアコギ1本でも歌える曲、聴かせられる曲がたくさんある

──本当にロックの名盤然とした、堂々としたアルバムに仕上がっていて。先行リリースされたシンガロング系のミディアム・チューンがドッシリと構えていて、それと同時にこのバンドのトチ狂った部分も詰め込まれていて、最後の2曲、「This Is Teenage」と「Plus Altra」で見事に大団円を迎えるという。今の[Champagne]というバンドの万能感や、どこにでもいける感というのが見事に表現された作品だと思います。

まさにそのとおりで。前作までって、曲のフックをどうやって強めるか、いかに多くの人に振り向いてもらえるかというところでアレンジにかなり重きを置いていて。それはやっぱり、路上でライブをやってたときに、どんなにいい曲をやっても「いい曲だね」って言われるだけで終わってたし、ライブハウスでもお客さんが20人以上増えなかったし、なんかガツンとしたものをやらないとダメなんだなって身に染みて感じていて。その気持ちがデモテープに繋がって、それがきっかけでデビューできて。ここまではその流れで突っ走ってきてたんですけど、そのうち自分の中に作曲家やボーカリストとしてのジレンマが生まれるようになって。これだけいい曲を書いてるのにシンガロングしてもらえないのは、やっぱり曲のギミック感が強すぎるのかなとか。お客さん盛り上がってくれるようになったけど、本当にただ盛り上がってるだけだなとか。僕らにはアコギ1本でも歌える曲、聴かせられる曲がたくさんあるんだよってことを主張したくなって。

──ただ、アレンジであれだけ突っ走ることができたっていうのは、ほかのバンドにはないプレイヤビリティと斬新なアイデアがある証拠だったわけですけどね。

そうなんですけど、それが全面に出すぎていたというか。特に前作の3rdではそれが全開になり過ぎちゃって。その思いから生まれたのが今年出したシングルの「Starrrrrrr」と「Forever Young」で。今回のアルバムではその先の、フェスのメイン・ステージで3万人のお客さんの最後尾まで届くようなまっすぐないい曲でありながら、そこにこれまでの遊び心もあるような、そのふたつを両立させた曲が出来たらなって。今は、それができたんじゃないかなって自負があるんですよ。

──やっぱり遊び心も大切だと(笑)。

きっと飽き性なんじゃないですかね? もちろん自分たちはロック好きですけど、それをひたすら突き詰めていくといった硬派ではないんですよ。すぐに間奏で遊んじゃおうよとか、イントロで遊んじゃおうよとか、そういう気持ちが出てくるんで、そこがほかのバンドと違うところなんですかね。ほかのバンドがアルバムの中でバリエーションのある曲をやるところ、うちらは1曲の中でいろんなバリエーションをつけちゃうんで。特に今回はメロディがしっかりしてるから、元のメロディがしっかりしてれば、どんなに遊んでも大丈夫だって。遊び心がありすぎて、それではみ出しちゃったりだとか、ブレちゃったりだとかは、あんまり心配しなかったですね。

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