back number – 9月に初の日本武道館公演を控えた彼らの最新シングル「高嶺の花子さん」が到着。バンドの好テンションっぷりが発揮された今作について。

back number

どんなに手に入れたいと思っても、高嶺に咲く花のように手の届かないもの──。そもそも恋とは、そういうものなのかもしれない。恋すれば恋するほど、惹かれれば惹かれるほど深みにはまり、しまいには嫉妬や妄想の虜(トリコ)になってしまう。そんな、厄介でありながら人を惹きつけてやまない恋心を、恋に翻弄されるまま正直に歌ったラブ・ソングが、その名も「高嶺の花子さん」。9月に武道館公演を控えた、今最も旬なバンドback numberの8thシングルである。

INTERVIEW & TEXT BY 前原雅子

“もうちょっと楽しいことないかな、面白いことないかな”っていう感覚に

──CDのジャケットに顔を出すのは今回が初めてですね。

清水依与吏 そうなんですよ。これまではブックレットですら、ほとんど載せてなかったですからね。

──今回のジャケットは、何か意図があってのことなんですか。

清水 いやいやいやいや! 今まで押さえつけられていたボーカルが急に目立ちたくなったとか、そういうことではなくて(笑)。メジャー・デビューしてからアルバムを2枚出して、「青い春」(7thシングル/2012年11月発表)という初めてのセルフ・プロデュースによるシングルが出せて、そこでいい区切りができたんで。ジャケットやミュージック・ビデオも一新したいね、ということで今回こうなった感じです。

──バンド結成から9年、メジャー・デビューから2年、気持ちがひと区切りした感じですか?

清水 ですね。『スーパースター』(メジャー1st/2011年10月発表)ってアルバムを出したあとって、“俺はこうあるべきだ”“これはこうあるべきだ”って模索しながら頑なにやってたんですよね。“ああしたい、こうしたい、もっと広げたい、もっと深くまで”って。でも『blues』(メジャー2nd/2012年11月発表)を出したあとは、なんかこう……“もうちょっと楽しいことないかな、面白いことないかな”っていう感覚に変わったんです。初めてバンドを組んだ頃に思った“これ、面白いよ、やってみようよ”みたいな感覚に。

──その感覚は、ここ何年も感じなかったことですか?

清水 模索することで精一杯だったんですよね。“俺はこうしなくちゃいけないんじゃないか、未熟なんじゃないか”って、そっちのほうが(気持ち的には)大きかったんで。もちろん、今だって未熟なんですけどね。でも、“これは自分たちにしかできないことなんじゃないか”っていうものが、一粒二粒見えてきたんで。だったら、どんどんほかのいろんな人とやって何が残るのか実験してみたい、と思うようにもなって。だから今、バンドが楽しいんですよね、音楽作るのが楽しくてしょうがない。

──2004年以降の長い模索の時代を抜けて。

清水 長かったですよ〜。まだ終わってはいないですけどね。でもやりたいと思ったことができる、その環境が整ったというか。

──ひと言で言うと、メジャー・デビューから2年経って余裕が出てきたということなんでしょうか。

清水 だと思いますね。また去年が制作という意味ではカツカツの、鍛えられた年だったんで。

妥協せずに乗り越えられたっていうのが自信になった

──シングル4枚とアルバム1枚を出していますもんね。しかもシングルはすべて3曲入りで、ライブもかなりあって。

清水 そこでライブとレコーディングの切り替えだったりも必要になっていくんですけど、“切り替えてたら間に合わないから、そのままやったほうがよくね?”みたいなこともあったりして。それが今年になって、“いやいや……考え事ができるね、いろいろやれるね”って時間的余裕も増えて、そしたらなんか曲を作るのが楽しくなってきちゃって。

小島和也 横で見てても楽しそうですからね(笑)。ホントに昔やってたようなことをやってるというか。バンドをさらに楽しめてる気がするんですよね。

栗原寿 僕は制作もですけど、今、ライブがすごく楽しくて。去年は各自が詰めてきたものを合わせるっていうことが多かったんですけど、最近は、“あーだ、こーだ”言いながら詰めていけるんで。余裕があるからこそ、溢れてくるものってあるんだなって思いますね。

清水 やっぱり去年、妥協せずに乗り越えられたっていうのが自信になったんでしょうね。“よし、来いよ!”みたいなね(笑)。

栗原 まぁ目標というか、制作やライブに向けてやっていくほうが、やりやすいっていうことはあるんですけどね。

小島 でもちょっとは余裕があったほうが、ね。だから今、すごくいい具合なんですよね。

清水 去年がわりと(楽曲制作の)締め切りVS僕たちだったんで……って、ちょっとそこらへんはソフトに書いといていただけたらと(笑)。それが、今年は“何作ろうか?”ってところでじっくりやれてるんで、それがいいんだと思うんですね。でも余裕があるからって胡座をかいてると、あとで大変なことになるので。こういう時期に曲を作り貯めるくらいのつもりでやっとかないと、と思ってはいますね。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人