andymori ALBUM「宇宙の果てはこの目の前に」ディスクレビュー

宇宙の果てはこの目の前に

ALBUM

andymori

宇宙の果てはこの目の前に

Youth Records

2013.06.26 release

<CD>


最後の最後までまっすぐに音楽を奏で続けたandymori

解散のニュースを聞いたときは、“まだまだ、これからだろ!?”というショックと“もしかしたら、これで良かったのかもしれない”という安堵にも似た感情が同時に沸き起こって、勝手に混乱してしまった。そのときの感覚は、最後のオリジナル・アルバム『宇宙の果てはこの目の前に』を聴いたときの印象とほとんど同じだった。

すでにライブで披露されている「ネバーランド」「teen’s」を含む本作は、多面的な表情を持つアルバムだ。酔っ払ってブチ上がってるときにピッタリのロックンロールもあれば、驚くほどに純粋無垢なラブ・ソングもある。タイトル曲に象徴される宇宙的な広がりを感じさせるような壮大な曲もあるし、何気ない日常をスケッチした曲もある。アルバムの資料には“バンド初期の楽曲から最新曲まで相当数のデモ楽曲から名曲14曲を厳選”とあるが、その結果として本作はandymoriの豊かで幅広い音楽性を表現することに成功している。だからこそ、“もっともっとやれるのに”という気持ちと“これで終わるのもいいのかも”という思いが交差してしまうのだが。

そして、現時点で個人的に最も強い印象を受けたのは11曲目の「ゴールデンハンマー」だった。“本当のことは恐ろしいもの そしてなにより美しいもの”“僕と君が目指しているものは とても似ているけど少し違う”“ゴールデンハンマー 僕らが見つけた魔法の武器”というフレーズが並ぶこの曲には、バンドを解散させる理由がかなり直接的に歌われていると思う。僕らはいつも、いろんな事情をくみ取り、飲み込むことで人生をやり過ごしている。それは決して悪いことではなくて、そのなかにこそ生きることの醍醐味があったりするのだが、andymoriは自らの純粋性を守ったまま、きっぱりと終わることを選んだということなのだろう。かけがえのない季節の終焉。本当に寂しいことだけど、それはどうしようもないことなのかもしれない。

やっぱり少し感傷的になってしまったが“このアルバムの素晴らしさはずっと変わることがない”ということはきちんと記しておきたい。刹那と永遠がひとつになったandymoriのロックンロールはこの先、ずっとずっと輝き続ける。そして僕らはその光に何度でも魅了されることになるだろう。

(森 朋之)

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