[Alexandros] ALBUM「Me No Do Karate.」ディスクレビュー

Me No Do Karate.

ALBUM

[Alexandros]

Me No Do Karate.

RX-RECORDS/UK.PROJECT

2013.06.26 release

初回限定盤 <CD+フォトブック>
通常盤 <CD>


快楽ポイント高すぎる[Champagne]による最高傑作!

王道の安定感あるメロディ&快楽ポイント高いサウンド・センス、そこに絡み合うリズムの強度に注目したい。[Champagne]4作目のアルバム『Me No Do Karate.』で辿りついた新境地。開かれた姿勢を示した音楽テレビ番組「ミュージックステーション」への出演、よりロックのコアへと突き進む道を選択したイギリス公演や、ミューズ、カサビアンのオープニング・アクトへの出演というアンビバレンツな志向性。しかし、すべては本作を聴けば納得の、スケールのでかい骨太な[Champagne]ニュー・ワールドの構築に成功している。

[Champagne]を語るうえで避けては通れない、バンド名の由来でもあるオアシスやUKロックの存在。影響を受けたであろうロックンロール成分を濃度高めに抽出し、[Champagne]は’13年に鳴るべき音との融合に成功している。その答えが1曲目「Rise」で聴ける、ハウス風ピアノ・イントロダクションから始まる過剰なまでにドラマチックなナンバーが放つ熱量の高さだ。後半、ラップにも近い展開をギター・リフとの掛け合いで盛上げていく様にも圧倒された。勢いそのままに続いていく2曲目「Stimulator」は、歯切れの良いビートの疾走感が魅力のロックンロール・ナンバーだ。フックとして、遊び心に溢れたシンセ・サウンドが鳴り響くのだが、EDM(Electronic Dance Music)的な、大味な決めとして、快楽ポイント最高潮に差し込んでくる今の時代を表した音世界にぶちあげられた。

さらに続く「Starrrrrrr」は、先行シングル・カットされ話題となった日本語詞による切なさを感じさせるメロディが心に刺さってくるポップ・チューン。世界のロック標準と、日本のポップ・シーンで鳴り響くヒット・チューンをつむぐミッシング・リンクを、[Champagne]は見事に埋めている。そして「Kick&Spin」で繰り広げられる目まぐるしいまでにグルーヴするクールネスとエモーションの狭間で爆裂するロック・チューンにも注目したい。後半では、まさかのツーバス&ツイン・ギター・アンサンブルによるスラッシュ・メタル展開へと進化する音楽的愉快犯。例えるなら、BOOM BOOM SATELLITESとX JAPANが1曲の中で共演したようなセレブレーション感と言えば興味を持っていただけるだろうか?

 「Ho!」でのラウドでエモいナンバーが放つライブでの至福な盛り上がり予感はもちろん、「Travel」での切ないメロが心をわしづかみする、声の透明感ある美しさが伝わる展開。チャイナ・フレーズからのご機嫌ファンクな展開がヤバすぎる「Wanna Get Out」にも驚かされた。そして、コード感で引っ張る美しきハーモニーにグッとくる至福感満載の「This is Teenage」など、音楽の楽しさをこれでもかと表現し続ける新展開にテンションは上がるばかり。[Champagne]は、圧倒的存在であった自らのルーツとの闘いに真っ向勝負で勝ったのかもしれない。そんな肯定感の強い1枚に最新作『Me No Do Karate.』が仕上がっていることを、音楽が大好きなあなたに伝えたい。

(ふくりゅう(音楽コンシェルジュ))

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