earthmind SINGLE「power of mind」ディスクレビュー

power of mind

SINGLE

earthmind

power of mind

gr8!records/Sony Music Records

2013.06.19 release

初回生産限定盤/写真 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


キミに寄り添うearthmindの新境地を見せた1stフル

壮絶な人生観、壮大な世界観をドラマチックに歌い上げた’11年のデビュー曲「B-Bird」、そして疾走するロック・サウンドを打ち出した2ndシングル「ARCADIA」と、earthmindは盤を重ねるごとにそのイメージを変えながら、“自分たちが語るべき/発信すべきメッセージ”を見つける旅をしてきたような印象があった。そして今年2月にリリースされ、大ヒットを記録した「ENERGY」で、その旅に対するひとつの“答え”が導き出されようである。

「ENERGY」は、それまでどこかミステリアスなバンド・イメージをまとっていた彼らに、人懐っこい人間味を与えた。それはまるで、聴き手の心を内側から鼓舞し、明日への一歩を踏み出すために背中を押してあげるような、いわゆる“等身大”のメッセージだった。ボーカルのErina、ギターのOmmy、ベースのJUN TAKAI、それぞれの人間味が溢れ、聴き手にそっと寄り添う……デビュー・アルバムである『power of mind』は、1曲目の「アイズ」からそんなearthmindの魅力に肉薄する作品である。シンプルに捉えれば『power of mind』のタイトルのどおり、“想い/思いの力”をメッセージとして詰め込んだような作品といえるが、もちろんこの“mind”は“earthmind”にもかかっているわけで、つまりはバンドとしての結束力を改めて誇示するような意味合いが、この作品にはあるように感じた。そう思ったのには理由がある。デビューから一貫してサウンド・プロデュースを手がける齋藤真也の芳醇な仕事は相変わらず素晴らしいのだが、このアルバムの音楽的な魅力はそこだけではなく、メンバーそれぞれが手がけた楽曲にこそ表れており、そこにバンドの意志=earthmindらしさが表れているように感じたからだ。

例えばOmmyが作曲を手がけた「Link」は、(歌詞にもあるが)照れ臭さすら感じるほどに抜けの良いロックンロールで青春を謳い、JUNが作曲を手がけた「Our life, all right.」も爽快なパンク・ロック・サウンドに乗せて“今”をストレートに全肯定する。そしてErinaがearthmindのほとんどの作詞を手がけるRicoと歌詞を共作した「brightline」では、月曜日から始まる日常の憂鬱や、走りだした今の気持ちを加速させるようなメッセージを、“いつだってありのままでいたい”という歌詞と共に高らかに歌い上げている。そう、earthmindは今、我々聴き手のそばに寄り添い、まっすぐな音楽の力を借りて、真摯に語りかけようとしている。バンドはこのアルバムで、本当のスタートを切ったのかもしれない。そんな印象を全編から漂わせる、気合いに満ち満ちた作品だ。

(冨田明宏)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人