BABYMETAL SINGLE「メギツネ」ディスクレビュー

メギツネ

SINGLE

BABYMETAL

メギツネ

トイズファクトリー

2013.06.19 release

初回生産限定 キ盤 <CD+DVD>
初回生産限定 ツ盤 <CD+DVD>
初回生産限定 ネ盤 <CD+DVD>
通常盤/写真 <CD>


“アイドル×メタル”が世界を魅了した理由

「アイドルは〜」とか「ロック・バンドは〜」とか、別枠で分ける考え方はとっくにサムいものになっている。時代はとっくに何でもありになってる。で、より極端なほう、よりぶっ飛んだほう、よりフックの強烈なほうが勝ち抜くようになってきている。

僕は5月に初開催された“METROCK”でそれを痛感したよ。ヘッド・ライナーにくるりとサカナクションを据えた初開催の野外フェスで、つまりはお客さんの中心層は今の邦楽ロック・シーンを楽しみまくっている若者で、そんなフェスで入場規制の状況を生み出していたのが、このBABYMETALだった。小さなエリアにぎゅうぎゅうに人が入って、ヘドバンとモッシュが各地で巻き起こっていて、その熱い盛り上がりの前に堂々と立っていたのが、平均年齢14歳の3人だった。

“アイドルとメタルの融合”をテーマに結成されたこのユニット。そもそも、そのスタートはアイドル・ユニット、さくら学院の中に設けられた“放課後の課外活動”だった。バトン部とかテニス部とか帰宅部と並んだ“重音部”という部活=派生ユニットとしての結成だった。その枠を超える注目を集めるきっかけになったのが、インディーズからのデビュー曲「ド・キ・ド・キ☆モーニング」のMVがYouTubeで公開され、海外のメタル・ファンに衝撃を与えたこと。昨年にはサマソニにも出場を果たし、年末の武道館ではピエール中野と共演。今年1月のメジャー・デビュー曲“イジメ、ダメ、ゼッタイ”はオリコン6位と、いよいよ勢いに火がつき始めた状況。そして今年4月にはセンターのSU-METAL=中元すず香がさくら学院を卒業し、BABYMETALとしてあらたなスタートを切るタイミングで放たれたのが、この新作シングル「メギツネ」なのである。

前置きが長くなったが、そういういろんなストーリーをふっ飛ばしても、とにかくサウンドとしてめちゃめちゃ面白いのがこの曲。三味線と重低音ギターとシンセが飛び交い“それ! それ!”の祭りのかけ声を混じえたイントロが象徴するように、サウンドはメタル・コアと“和”の融合。CrossfaithやFear, and Loathing in Las Vegasあたりに通じるエレクトロ〜トランスの風味も強い。エヴァネッセンスのエイミー・リーを彷彿とさせるSU-METALの歌声の迫力も増しているし、「さくらさくら」のフレーズを転用して“キツネ キツネ ワタシハ メギツネ”と歌う中間部のブレイク・ダウンも刺激的だ。初回限定盤のカップリング「おねだり大作戦」もかなりぶっ飛んでる。“アイドル×メタル”というアイデアだけならほかの誰かも思いついたかもしれないが、それをここまで強烈なフックを持った曲にしているからこそ、BABYMETALは軽々と枠を超えたんだと思う。

6月4日に公開されたこの曲のYouTubeにも、早速海外からのコメントが集まっている。「俺は5日で50回以上聴いた」「50回だと? 俺なんかここ10日間起きてる時間の90%聴き続けてるぜ」ってな具合。早くも相当のBABYMETALジャンキーを生み出している模様だ。がんがん進んでほしい。

(柴 那典)

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