locofrank/HAWAIIAN6/dustbox ALBUM「THE ANTHEMS」ディスクレビュー

THE ANTHEMS

ALBUM

locofrank/HAWAIIAN6/dustbox

THE ANTHEMS

IKKI NOT DEAD/773Four RECORDS/Machine Records

2013.06.05 release

<CD>


意地とプライドを賭けたメロディック頂上決戦

 ロコとダストとハワイアンが三つ巴になって一枚のアルバムを作る──そんなコンセプトを耳にするだけで胸が高鳴る! おそらくすべてのキッズが同じような思いを抱くことだろう。実際、各バンドがまっさらなニュー・ソングを4曲ずつ投入して出来上がった音源は、半端じゃない熱量とドラマとエモーションが渦巻く、まさに“メロディック・パンクの聖典”のような一枚となった。浮沈激しいパンク・シーンにあって、それぞれ10年以上に渡ってサバイブしてきた3バンドの実力は、やっぱ伊達じゃないのだ。
 
 激情的なマイナー・コードに独自の美意識と歌謡性を落とし込んだHAWAIIAN6、流れるようなサウンド・フォルムできらびやかに疾走するdustbox、闘争心を剥き出しにして直情的に駆け抜けるlocofrankと、それぞれの特性やキャラクターを濃縮して落とし込んだそれぞれの4曲は、バンド単体のEPとしても十分に成立する作品性を誇っている。きっと、他者を意識するよりレーゾン・デートル(存在意義)を問うように自らを掘り下げることがいちばん有効なスキームであり、他のバンドに対する最低限の儀礼でもあったのだろう。盟友同士だからこそ、どのバンドもとことん“本気”(ここはひとつ“ガチ!”と大声で読んでください)だ。しかしその4曲がバラバラに分断され、ハワイアン→ダスト→ロコの順に配置されると、そこには一種異様な磁場が生まれ、熱を帯びたバイブスが立ち現れる。楽曲単位のみならず、作品全体に通底するその熱とバイブスが何より本作を特別なものにしているし、聴いていて手に汗握らずにはいられない(その興奮はひとつのアクトが次のアクトを触発し、ぐんぐんヒート・アップしていく対バン・ライブのそれに極めて近い)。6月17日からこの3バンドでのZEPPツアーも予定されているが、実際の現場では意地とプライドとリスペクトが渦巻いてとんでもないことになるはず。期待せずにはいられない。

(奥村明裕)

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