THE STARBEMS ALBUM「SAD MARATHON WITH VOMITING BLOOD」ディスクレビュー

SAD MARATHON WITH VOMITING BLOOD

ALBUM

THE STARBEMS

SAD MARATHON WITH VOMITING BLOOD

DefSTAR RECORDS

2013.06.05 release

初回限定盤/写真 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


日高央、45歳、新バンドにて絶倫!

 ’10年9月のBEAT CRUSADERS“散開”後、しばしのソロ活動やMONOBRIGHTとの蜜月、Fed MUSICとのタッグなどを経て、ヒダカトオルが本名漢字表記の“日高央”として立ち上げた新バンド=THE STARBEMS(ザ・スターベムズ)。僥倖(ぎょうこう)にも昨年末の初ライブを目撃できたのだけれど、それは身の毛がよだつほど衝撃的だった。なにしろ後輩バンドマン──菊池篤(Fed MUSIC)、越川和磨(元・毛皮のマリーズ)、後藤裕亮(LOCAL SOUND STYLE)、寺尾順平(元・ワイルドマイルド)、高地広明(元・SHENKEY GUNS)──が掻き鳴らすゴリゴリのハードコア/メタル・サウンドをバックに、日高はハンド・マイクでステージ狭しと駆けまわり、喉も裂けんばかりにシャウトしていたのだから。老体にムチ打つような(失礼!)ハードエッジなアクトは多くのリスナーの度肝を抜いたが、その衝動性を余すところなく詰め込んだのが、日高45歳のバースデー(6月5日)に発表されたこの1stフル・アルバムだ(ちなみに“血を吐きながら続ける悲しいマラソン”という長く意味深なタイトルは、バンド名の由来ともなった「ウルトラセブン」のモロボシ・ダンの名文句から引用したそう)。

 バンドの平均年齢が33.33歳、ゆえに収録時間33分33秒(全13曲)という折り目正しい様式に反して、その音像はカオティックかつ破壊的。火花を散らすトリプル・ギターが性急な2ビートと共に熱狂の果てへと駆け上がり、日高は“気は確かか? 毎日ゴミを地下深く捨てているなんて(和訳))”(「ARE U SURE?」)と不条理を告発し、“ひっくり返そう 俺達の手で世界を(和訳))”(「INSIDE OUT」)と声を荒げて変革を叫ぶのだ。この得も言えぬ飢餓感と危機感は、なんだ? それこそビークルのようなギター・ポップやGALLOW的なネオアコ路線など、日高には“レイターワーク(後期の仕事)”としての音楽的選択肢は様々にあったはずだが、震災以降に有効なサウンドを求道するなかでこれだけの熱量とアジテーションが必要だったのだろう。10曲目の「FORGIVENESS」だけでも聴いてもらえたら、“星獣たち”のマジな心意気を感じてもらえるはず。KYONO(WAGDUG FUTURISTIC UNITY)、Endy(GOOFY’S HOLIDAY)、笠原健太郎(Northern19)などゲスト陣も強力!

(奥村明裕)

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