Chara SINGLE「hug」ディスクレビュー

hug

SINGLE

Chara

hug

キューンミュージック

2013.06.05 release

<CD>


どんな思いも抱きしめて、言葉や音に紡いでいく

 4月に、アルバム『Cocoon』のリリース・ツアーを締めくくってから、はや2ヵ月。Charaがニュー・シングル「hug」を完成させた。NHK BSプレミアムで放映されている、滝沢秀明主演のドラマ「真夜中のパン屋さん」の主題歌として書き下ろされた楽曲。つまりタイアップだが、とはいえ、彼女らしさは思いきり堪能することができる。「hug」というタイトルにも表れているが、女の子の奔放さと、母の優しさという、彼女の両面が感じられる、とてもハートフルな仕上がりなのである。作詞、作曲からアレンジまで、彼女自身が担当。ゆったりとしたテンポで始まり、徐々にストリングスが絡んでいき、壮大なサビへと繋がっていくという、展開そのものに物語が感じられる。そこに、そっと聴き手に向かって投げ掛けるような歌詞が並ぶ。『Coccon』のときに彼女は「(漢字の)糸偏が気になる」と言っていたけれど、糸偏が付いた漢字はこの曲にも並んでいる。“やさしい糸”、“編み出して行こう”、“君は繋ぐ何度も”——絆や温かみなど、糸はたくさんのことを意味していると思う。最終的に歌詞は、こう締めくくられる。“一瞬聴こえた『空を変えたい 自分で越えないと』/「私には世界がなかったの」”——意志と現実がせめぎ合うような切なさ。そのすべてを、彼女のソウルフルな歌声は抱きしめてくれる。

 2曲目は、彼女がレギュラー・パーソナリティを務めるNHK-FMの「ミューズノート」のオープニング・テーマとして書き下ろされた「永遠」。まず、キラキラした光のドレープから、彼女の歌声が顔をのぞかせるような、ロマンチックなオープニングが印象的だ。“「君を愛したいよ」”という思いが、若手クリエイター・mabanuaの手がけたトラックによって、じんわりと染み入る。さらに3曲目には、自宅スタジオで制作されたデモ・バージョン「永遠(1st demo ver.)」が収録されている(Chara史上初!)。彼女自身がキーボードのみならず、ベースやドラムも演奏しており、音楽家としての彼女の懐の深さを知らしめられるようだ。

(高橋美穂)

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