livetune adding Fukase(from SEKAI NO OWARI) SINGLE「Take Your Way」ディスクレビュー

Take Your Way

SINGLE

livetune adding Fukase(from SEKAI NO OWARI)

Take Your Way

トイズファクトリー

2013.06.05 release


livetune×セカオワFukaseによる感涙もののコラボ

 実に魅力的なコラボレーションだ。livetuneのkzといえば、ネット・クリエイター界の急先鋒的であり、アンダーグラウンド・カルチャーだったボカロ・ムーブメントをオーバーグランドへと押し上げた立役者でもあり、今やGoogleのような巨大企業や、EDM界の貴公子・ZEDDなど、日本のみならず世界中が注目する若手プロデューサーの筆頭的存在である。そんな彼と、今乗りに乗っているSEKAI NO OWARIのボーカルであるFukaseのコラボと聞いて、期待に胸が踊らないほうが嘘だろう。

「Take Your Way」は、テレビ・アニメ「DEVIL SURVIVOR2 the ANIMATION」のオープニング主題歌として制作された。kzは制作のオファーを受けた際、「作品性を最大限に尊重する歌声は?」と考え、すぐにFukaseが思い浮かんだという。確かに、Fukaseの歌声には青さ残る少年性と、うっすらと漂う終末感、そしてたぎるような情熱と焦燥感があり、「DEVIL SURVIVOR2 the ANIMATION」の“運命を選び決断する”主人公たちの葛藤する姿や勇敢さを彷彿とさせる。しかしながら、セカオワといえば現在もメンバーたちが共同生活を送っていることで有名で、音楽だけではない深い結び付きによって成り立っているバンドである。そんななかFukaseがソロ名義で客演を快諾したのは、とても興味深いことだ。その背景には、実はFukaseとkzは元々同年代の友人同士であり、お互いの才能を認め合う仲だったからだと、kzは筆者のインタビューで語ってくれた。そうして生まれた「Take Your Way」は、ソリッドなビート・ミュージックの担い手でもあるlivetuneとしてはかなり明快なポップ・サウンドを選択しており、「DEVIL SURVIVOR2 the ANIMATION」と、Fukaseの歌声をメロディとアレンジでより際立たせようとしたことは明らかだ。キックを軽めに効かせたエレクトロ・ハウスの爽快なビートに乗せて、シンガロング必至のメロディが響き渡るなか、Fukaseのあの“青い”声で“叫べ”と歌われたなら、いてもたってもいられないような衝動にきっと心突き動かされるだろう。カップリングは「Wedding Celebration」でおなじみ、Q;indiviのRin Oikawaをフィーチャーした「Each and All」で、こちらも「DEVIL SURVIVOR2 the ANIMATION」のために作られた曲。繊細なピアノのタッチと、涙を誘うようなメロディ。ちょっぴりハスキーでウィスパーな歌声が、夕暮れに染まる街並みを想起させる歌詞と共に心に染み入る。

 本作は、ネット・クリエイター界、そしてクラブ・シーンのヒーローであるlivetuneが、極上のメロディ・メーカーであることを改めて誇示するような、至福の一枚となった。

(冨田明宏)

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