OLDCODEX SINGLE「The Misfit Go」ディスクレビュー

The Misfit Go

SINGLE

OLDCODEX

The Misfit Go

Lantis

2013.05.22 release

初回限定盤/写真 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


ふたつの大きな“経験”が創出したOLDCODEXの“今”

 ラウド・ロック、EMO、ポスト・ハードコア、ダンス・ミュージック、そしてライブ・ペインティングによるビジュアルとアート……。若きミュージック・ホリックたちの衝動を真正面から受け止める“フィジカル”で“視覚的”な音楽性を追求してきたOLDCODEX(以下OCD)から、“今のOCD”を鳴らす最新シングルが到着した。彼らは、前作であり彼らの名前を広く知らしめることになったスマッシュ・ヒット・シングル「カタルリズム」から、ふたつの大きな“経験”を経ている。ひとつはやはり、これまでサウンド・プロデュース兼ギターを担当していたR・O・Nの脱退。彼の存在はOCD結成当初から不動であり、バンドのマスター・マインドとして、彼らの洋楽的オルタナティブなサウンドの方向性とバンドのスタイルを形成する上で、OCDにとって欠かせない人物だったと言っても過言ではない。もうひとつは、昨年12月にリリースされたアルバム『CONTRAST SILVER』のプロデュースを、LUNA SEAのINORANが担当したこと。INORANの参加により、サウンド・スケープはより野心的かつ豊潤な広がりを見せた。そのふたつの“経験”を経て導き出された今回のシングルは、ある意味で、今のOCDの決意表明のようでもある。

 表題曲「The Misfit Go」で聴けるのは、Ta2の腹の底から湧き上がるような、叫びにも似た絶唱。それは“OCDはOCD”であるという矜持ともいえる。そして“経験”を経たことによる変化は、バンド・サウンドに獰猛かつ靭やかなメタルのアグレッションが宿ったこと。そして、シンガロング必至のサビメロだろう。単刀直入に言ってしまうと、この曲はこれまでのOCDナンバーと較べても、非常にわかりやすい。もちろん、OCDらしくアレンジメントは練りに練られているし、音像も複雑だし音圧も十分すぎるくらいに重厚である。ただし、楽曲全体から受ける印象は、シンプルに、素直に“カッコイイ”と感嘆し得るストレートな“わかりやすさ”だと思う。シングル全体を支える“sad”なムードはこれまでのOCDにはあまり見られなかった要素だが、こういう色付けも非常にキャッチーだし、ビジュアル系バンドにも似た退廃の美を思わせる。

 このシングルでOCDは、日本のロック・シーンに向けて真正面から勝負を仕掛けたがっている。ふたつの大きな“経験”で得た、そんな彼らの強固な決意を、筆者はこのシングルから感じ取ってしまった。新しいOCDは、すでに始まっているのである。

(冨田明宏)

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