パスピエ SINGLE「最終電車 featuring 泉まくら(FragmentのREMIX)」ディスクレビュー

最終電車 featuring 泉まくら(FragmentのREMIX)

SINGLE

パスピエ

最終電車 featuring 泉まくら(FragmentのREMIX)

ワーナーミュージック・ジャパン

2013.05.22 release

完全数量限定生産盤 <CD>


大注目ポップ・バンドと気鋭の女性ラッパーによるコラボ曲

 ’13年3月にリリースされたシングル「フィーバー」がスマッシュ・ヒット。東京藝大・ピアノ科出身の成田ハジメ(key)による高度な音楽理論に裏打ちされた楽曲、アートワークも手がける大胡田なつき(vo)のガーリーかつエッジーなボーカルによって、音楽ファンからの支持を確実に高めているパスピエから、タワーレコード限定リミックス・シングル「最終電車 featuring 泉まくら(FragmentのRemix)」が届けられた。

 まずは「最終電車」の説明から。パスピエが昨年発表したアルバム『ONOMIMONO』に収録されたこの曲は、“最終電車に乗ろうとする男の子とそれを見送る女の子”を描いたポップ・チューン。恋愛の初期における繊細な感情の交流をテーマにした歌詞、高揚感と切なさが絶妙のバランスで溶け合うメロディ、緻密に構築されたアレンジと生々しいバンド感が共存するサウンドメイク──この曲にはパスピエというバンドの魅力が凝縮されていると言っていいだろう。

 今回のリミックスにフィーチャーされている泉まくらは、福岡在住の女性ラッパー。「最終電車」のテーマを受け継ぎ、女の子の期待と葛藤をリリカルに綴ったラップ、そして、叙情的な旋律を感じさせるフロウからは、彼女のポテンシャルの高さが伝わってくる。彼女が所属するレーベル“術ノ穴”を主宰するトラック・メイカー・デュオのFragmentが手がけた、憂いと華やかさが混じり合うトラックも素晴らしい。

 さらに本作には、パスピエの自主企画イベント“印象A”でオープニングDJを担当していたOMSBによるリミックス「最終電車 featuring 泉まくら(OMSB from SIMI LABのREMIX)」を収録。また、泉まくらのアートワークを手がける大島智子と大胡田なつきが描き下ろしたジャケットも超キュート。トラック、リリック、ビジュアルが立体的に絡み合う、意義深いコラボレーション作品に仕上がっている。

 同世代のアーティストとの有機的なコラボが実現したこのシングルによって、パスピエの魅力はさらに広い層に浸透していくはず。ニュー・アルバム『演出家出演』のリリースを6月12日に控えた彼らは今、最初のブレイクの時期を迎えようとしているようだ。
 

(森 朋之)

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