BRAHMAN – 幕張メッセにてセンター・ステージを構えた360度解放状態でのライブを控えたBRAHMAN。目前に迫った公演についてTOSHI-LOWに聞いた。

BRAHMAN

全国30ヵ所を回った5年ぶりのアルバム・リリース・ツアー“相克”もいよいよ終盤。その最終公演として控えているのが6月8日の幕張メッセ“『超克』the OCTAGON”だ。BRAHMANにとって2度目の幕張、そしてバンド史上初となるセンター・ステージ。中央に八角形のステージが設置され、360度を観客が取り囲むというのは、まだ誰も見たことのないBRAHMANの世界。まったくもって予想不可能で、期待と興奮、そして緊張は天井知らずである。
ただ、ひとつだけ言えるのは、彼らはどんな場所、どんな状況であってもいつもどおりのライブをするということだ。そしてBRAHMANに限っては“いつもどおり”が“決死の覚悟”であり“人生を賭ける”ことと直結する。決して気楽なエンターテインメントではない、極端にハードかつストイックに見える彼らの歩みにはいったい何があるのだろう。TOSHI-LOWに話を聞く。

INTERVIEW & TEXT BY 石井恵梨子 / PHOTO BY 山本哲也 (PGI)


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恐れを作ってる99%は自分なので。やっぱり(超えるべきは)己

──現在、ツアーの手ごたえはどうですか。毎回アルバム・リリースのツアーは“つかめない、迷ってる”という話になるけど。

つかめない、迷ってるっていうのは当たり前の話で。新しいことやってるからね。新しい曲が体に入ってく段階で、自分でも十分に染みてないっつうのはあるけども。ただ、今までのツアーと断然違うのは、『超克』は出来た段階から完成形が見えてる作品だった気がして。それをもう1回探る必要はないの。新曲だから迷うんじゃなくて、このアルバムに対して、すでにある世界に対して、どんだけ自分たちが入り込めるかっていう。“あぁ、今日はちゃんと入れなかったな”とか、そういうのは前半多かったと思う。

──それだけ完成形、理想形を鳴らしたアルバムだった?

……理想形というか、うん……少なくともすでに答えがある。超えるべきものがしっかり見えてるというか。不確かな不安、みたいなところでうごめいているわけではない。その標準は見えやすいんじゃないかなと思うんだけど。

──ええ。このアルバムは、強く生きる、恐れず迷いなく進む、っていうことを歌い上げているんだと私は解釈してますけど。

あぁ……うん、そう感じてくれてもいい。で、その恐れを作ってる99%は自分なので。やっぱり(超えるべきは)己だな、というか。それは迷っても負けてもいいし、折れてもいいの。別に絶対的な強さをめざしたいわけじゃなくて。むしろ、折れてからどうするか、つまずいてからどうするのか、っていう姿勢の話だから。

生きてる意味がわかんなかった

──同じことを、前回の幕張メッセのMCで言いましたね。「何度倒れても、絶望じゃない、闘志が湧いてくる」「生きてる限り迷うんだろう、失うんだろう。それでも、BRAHMAN始めます」って。これはまさに初期から一貫してる姿じゃないかなと思う。

あぁ。……でも、昔からちゃんと実行できてたかって考えれば、弱いからそうやって自分を鼓舞するしかない部分がデカかったんじゃないかな。ずっと迷ってたし悩んでた。意味が……生きてる意味がわかんなかったから。

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──生きてる意味?

うん。ちっちゃいときからずっとあった問い。なーんか生きてることにも罪悪感があったし。罪っていうか、もっと不確かなもの。もっと重くてどんよりしたものが小さいときからある。なーんかスカッとしてないし、その雲の中にグーッと入ってしまえば自分自身も真っ暗になっていくんだよね。

──その感覚と、バンドを始めたことは、繋がっているんですか。

自分を何かに当てはめられるんだったら、別にバンドじゃなくて良かった。ほかに得意なことがあればスポーツでも良かったかもしれないし。でも何かは必要だった。10代の頃……中高生の頃かな、何かをあんときやらなければ今この世にはいない気がする。で、結果的にバンドだったのは……やっぱり自分以外の対象物がすごく欲しかったんだと思う。

──対象物、見てくれる人?

うん、見てくれる人、誉めてくれる人。なんかね、勝手な孤独感がすごく強くて。人がいればいるほど、何万人と人がいる街の中でいきなり孤独を感じるの。自分ひとりだけフワッと宇宙の真ん中にいるみたいな。それは説明できない感覚だけど……もう際限がないんだよね。ポツンと孤独になると、どこにも支点がなくて、どこまでも飛んでいってしまう。それをグッと引き寄せてくれるものがバンドだった気もするし。バンドのステージから見える景色、みたいなものに唯一実感があったのかな。そこに自分が見たい世界、俺が証明したい実感、というものがあったんだと思う。たぶん俺がバンドに対して求めてるのはそれだけなんだよね。音を作ることじゃなかったと思う。存在として、自分が在る場所がある、ってことだった。

──バンドはひとりじゃできないし、見てくれる人だけじゃなくて、共に作るメンバーも必要で。その存在も大きいですか。

デカいよね。逆説になっちゃうけど、仲間がいるから、より孤独になれるし、自分のこともわかってくる。自分ひとりでは自分を映す鏡がなくて。やっぱり相手の瞳というか心、そういうもので反射してもらったときに初めて自分が見えてくるし。誰かに対してこんなふうにやった、ということで自分のやってきたことも見えてくる。後悔も含めてね。

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