cinema staff – 昨年6月にレーベルを移籍しメジャー・デビューを果たした、彼ら2枚目のフル・アルバム『望郷』。フェーズを変えたバンドの今の心境を探る。

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エモーショナルなサウンドと、メロディの際立つ伸びやかなボーカルを武器に活動を続ける4人組ロック・バンド、cinema staff。彼らが、メジャー移籍後初となる、約2年ぶりの2ndフル・アルバム『望郷』を完成した。“許し受け入れること”そして“故郷”をテーマに作られた全13曲の新作は、緻密さと繊細さとダイナミズムに溢れた、バンドの成長をしっかりと感じさせる作品だ。では、バンドのこれまでの活動、ニュー・アルバムに込めた想いをたっぷりと聞いていこう。

INTERVIEW & TEXT BY 土屋恵介

’90年代のUSのオルタナに影響を受けて、バンドも変わっていった

──WHAT’s IN? WEB初登場ということで、改めてcinema staffのこれまでの活動について聞かせてください。

三島想平 元々、高校のときに結成したんです。久野(洋平)くん以外の3人は岐阜の高校の同級生ですね。それで名古屋の大学に進学したときに僕と久野くんが同じ音楽サークルで、そこで知り合って加入したんですよ。大学1年から現メンバーなので、今年で8年目ですね。20歳で残響recordと出会って、21歳で最初のミニ・アルバム『document』が出たんです。その後23歳で上京して、2012年にポニーキャニオン(現レーベル)に移籍して、今に至るって感じです。

──元々、どんなグループをめざして、どのようにサウンドが変化していったんですか?

三島 元々は、高校の文化祭バンドって感じだったんです。僕がNUMBER GIRLを聴いて音楽の価値観が変わって、’90年代のUSのオルタナに影響を受けて、それからは、汚いほうにじわじわとバンドも変わっていったんです(笑)。

飯田瑞規 大学の頃は、激しかったり、ノイジーだったりって流れだったんですよね。そこから、変えていけたらっていろいろ模索してましたね。

──手探り状態で自分たちの音を見つけていったと。

三島 そうです。メロディを活かしつつバンド感を出すっていうのは、最終的に辿り着いたんです。なんでできないんだろうって、結構迷走してるときもあって……。

──そのときは混沌感がそのまま音に出てた?

三島 だと思います。だから全然良くなくて(笑)。

飯田 「AMK HOLLIC」(1stミニ・アルバム『document』に収録)も、今聴いたらサビとか良いメロディに思えるけど、特にAメロとか、メロディは後回しでした。歌をひとつの楽器として考えていた時期で、曲も全然違いましたね。

──今の、歌ありきって発想と根本が違っていたと。

三島 ですね。コード感のない音がガーンと鳴って、あとからメロディが乗ってるってものがカッコいいと思ってたんで。あとはいかにパンク・スピリットが出てるかってことを考えてました。

飯田の歌を活かすほうがカッコよくなるなって

──方向性は、どのタイミングで絞れていったんですか?

三島 残響と契約してからですね。残響ってどちらかというとノイジーなインスト・バンドのレーベルってイメージがあったんですけど、社長とプリプロをしたときに“もっと歌をちゃんと活かさなきゃダメだよ”って言われたのが衝撃で。それは、自分たちのストロング・ポイントを活かせってことだったと思うんです。その頃いろんな人からも“歌がいいバンドなのになんでちゃんと歌わないんだ”ってよく言われましたし。だからそれからは、せっかく飯田がいるんだから、彼の歌を活かすほうがカッコよくなるなって、発想を切り替えられるようになったんです。そのあとからじわじわ変わりつつ、2010年7月の3rdミニ・アルバム『Blue, under the imagination』では顕著にそれが出せましたね。

──なるほど。では、個人的に影響を受けたルーツの音楽を聞かせてください。

辻友貴 僕はいちばん最初はGLAYから始まって、高校行ってからNUMBER GIRLが好きになって、90’sのUSのエモの影響をすごい受けました。ずっとそういうギターを弾きたいなって思ってます。

三島 僕は最初は、ゆず、矢井田瞳とかが好きで路上(ライブ)もやってたんですよ。で、NUMBER GIRLで価値観が壊されたあとにオルタナですね。それと、USインディー、ハードコア・パンクの影響が大きいです。USインディーだと、デス・キャブ・フォー・キューティー、シアトルのバンド、キンセラ兄弟(ジョン・オブ・アーク、メイク・ビリーヴなど)、シカゴのインスト・ポストロックを経て、岡村(靖幸)さんにいきました(笑)。今はいろいろ聴いてて訳わからないですけど(笑)。ハードコアだと、フガジはデカいですし、後期ディスコードのポスト・パンクっぽいバンドとか。ヒリヒリしてるスティーヴ・アルビニ感は今だに好きですね。

──岡村さんは意外ですが、カオス感もありつつメロディが立ってますしね。

三島 そこは通じるとこもあるかなって。元々ポップスが好きで、小沢健二さんとかも好きだったので。岡村さんは大学に入ってから好きになって、最近さらに加速して、復活ツアーも3ヵ所行きました(笑)。相当好きですね。

飯田 僕は小さいときは兄の影響でボーカル・グループ、R&Bを聴いてたんです。テイク6、ゴスペラーズとかがはやってた時期ですね。バンドは、中学くらいでやりたくなったんです。きっかけはTHE YELLOW MONKEYで、あと日本のAIRとかを聴いてました。高校のときにヴェルヴェット・アンダーグラウンドが好きになって、彼らに影響されたバンドを聴いて……特にソニック・ユースが好きで。オルタナ、USインディーはずっと聴いてますね。キンセラ兄弟、有名どころだとペイヴメントとか、名前を聞かないようなのもいろいろ聴いてます。ゴチャっとした演奏に、うまいとは言えない味のあるボーカル、歌心が乗ってるものが好きですね。

久野洋平 僕はバンドを始めるまではSMAP。ライブに行くくらい好きだったんです(笑)。で、バンドを始めてからは、Hi-STANDARDなんです。ハイスタの曲は半分以上叩けます。cinema staffに入ってからはみんなの影響でUSインディーにいって、中でもブレイドとか好きですね。

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