きゃりーぱみゅぱみゅ SINGLE「インベーダーインベーダー」ディスクレビュー

インベーダーインベーダー

SINGLE

きゃりーぱみゅぱみゅ

インベーダーインベーダー

ワーナーミュージック・ジャパン

2013.05.15 release


本格的世界進出を加速する新曲「インベーダーインベーダー」

 前作「にんじゃりばんばん」をフィーチャーしたauのCMは本当にカッコ良かった。あれは今年の1月に東京・増上寺で行われたイベント“FULL CONTROL TOKYO”の模様をもとにしたCMだったのだが、スマホを連動させた演出とキラキラとライト・アップされた増上寺、そして、“和”の要素を取り入れたサウンドが完璧に一体化していて、なんというか、“希望に溢れるテクノロジー”とか“音楽によってハッピーな未来が開ける”という感覚をダイレクトに感じることができた。それは日本の音楽シーンが久しく忘れていた無防備な享楽性そのものだったと同時に、パフォーマンスも音楽も完全に世界基準のクオリティに達していたと思う。

 今年3作目となるニュー・シングル「インベーダーインベーダー」からも、現在の彼女の絶好調ぶりがはっきりと伝わってくる。チープでシックな’80sフレーバーを感じさせるトラック・メイク、ほんのりと和を含ませつつ“だ だ だ だ インベーダー”というサビのフレーズとともに気持ちよく開放されていくメロディ・ライン、ディープなエレクトロ〜クラシックなテイストを織り交ぜたアレンジなど、すべてのファクターが“今、これを聴きたかった!”という欲望に重なっていく。リスナーの快楽のツボを知り尽くした中田ヤスタカ、その嗅覚はさらに鋭さを増しているようだ。

 さらにすごいのが冒頭の“おっしゃ Let’s 世界征服”という歌詞。このフレーズだけで、ワールド・ツアーを終えたばかりのきゃりーぱみゅぱみゅの現在地がしっかり見えてくるし、“またここから、とんでもなく新しいことが始まる!”という楽しい予感がグングンと広がっていく。どこにも無理なく、おしつけがましくなく、大きなストーリーをナチュラルに体現できる彼女の在り方は本当に貴重だと思う。

“見る角度を変えれば、毎日は楽しくなるはず”“素敵なものを自由に生み出していこうよ”という「つけまつける」以降のメッセージを受け継いだポップ・チューン「Point of view」も絶品。’13年後半もきゃりーぱみゅぱみゅは、シーンを象徴するポップ・アイコンとして光を放ち続けることになるだろう。

(森 朋之)

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