BYEE the ROUND MINI ALBUM「GOOD BYEE TO YOU」ディスクレビュー

GOOD BYEE TO YOU

MINI ALBUM

BYEE the ROUND

GOOD BYEE TO YOU

Sony Records/Fifty Four Sounds

2013.05.08 release

<CD>


真っ向から突き刺さるロックンロール

 昨年10月にメジャー・デビューした4人組、バイザラウンド。インディーズ時代から経験を積み上げてきたバンドだが、満を持してと言わんばかりに、その実力を体当たりでメジャー・シーンにぶつけているようだ。このたびリリースされるメジャー2ndミニ・アルバム『GOOD BYEE TO YOU』も、堂々たる様相を呈している。意表を突く細かいアレンジ勝負や、耳馴染みのいいメロディ勝負というよりは、真っ向からスケール感で勝負! というような、このご時世では稀有なほど、男らしいスタイルなのだ。汗まみれな色気がにおい立っていて、ルックスに関係なくカッコいい音像だと思う(いや、ルックスもカッコいいけれど)。
 その中心にあるのが、松山晃太の歌声。すうっと息を吸い込む音までパッケージされており、とても生々しい。すべてを包み込むような声量で、ときに叫び、ときに矢継ぎ早に言葉を繰り出し、容赦なく迫ってくる。不敵なロックンロール「ホームアローン」、伸びやかなミドル・チューン「ウミネコ」、“くだらねぇ 反逆の蟻”と吐き出しながらも楽しげな「反逆のmm」……どんな楽曲も、演奏陣が生み出す強靭なグルーヴの波を華麗に乗りこなしている。そんな彼が、もっとも自分自身のことを詰め込んだであろう「飛行船に乗って」。飛行船や、その背景を舞台に、過去、現在、未来の自分を、“降って湧いてくる 都合の良いメロディを待ってる”なんて自嘲も交えながら綴っている。今作は、この楽曲で締めくくられる。まだまだ飛んでいく、そういった決意の表れではないだろうか。
 プロデューサーにバンドと共に名を連ねるのは、元serial TV dramaの新井弘毅。彼も、ライブハウスで育ち、インディーズからコツコツ階段を昇ってきた人間であるだけに、バイザラウンドの状況がよくわかるに違いない。豊富なジャンルの引き出しや、テクニカルなギターのセンスを持ちながらも、それを押し付けることなく、バイザラウンドらしさを伸び伸びと生かす方向性でプロデュースしているように聴こえてくる。
 ダイナミズムを持った作品だけに、真価はライブで発揮されるはず。あらたな時代を切り開くロック・バンドの力量を、ぜひ現場で確かめたい。

(高橋美穂)

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