PAGE SINGLE「MY NAME IS xxxx」ディスクレビュー

MY NAME IS xxxx

SINGLE

PAGE

MY NAME IS xxxx

2013.05.08 release

<CD>


17歳の若き新世代ラッパーの原点

 ふと襲う孤独感、無力感、喪失感、はたまた理不尽な大人に対する不信感、反抗心、失望、諦め等々、思春期特有の心のSOSを10代らしからぬ詩的な比喩表現で瑞々しく切り取るPAGE。楽曲に潜むネガな空気感が、今、じわじわと注目を浴びている17歳のラッパーだ。
 デビュー曲「You topia」は、中1の頃の片思いを“相手が振り向いてくれないのはわかってたさ”と歌うションボリ系のラブ・ソングだった。2ndシングル「エクスペクト」も、未来に対するわかった風な期待を皮肉混じりに歌った曲。2曲とも音はポップなんだけど、気分は内向き/下向きなのが特徴だった。
 そんなPAGEの3rdシングルとなる「MY NAME IS xxxx」は、彼がメジャー・デビューの切符をつかんだ“閃光ライオット 2011”の優勝ソング「MY NAME IS」をリアレンジ/再レコーディングしたもの。原曲は彼の代名詞といえる曲だ。ところがコレ、デビュー時にインタビューしたとき「一生出したくない」と言っていた、いわくつきの曲なのだ。
 PAGEが曲を作り始めたのは中3の1月。「MY NAME IS」は、それから約1ヵ月後に「中学を卒業することだし、良いことでも歌っとこっかなー」くらいの軽い気持ちで親への感謝を歌った曲だった。それを当時ハマり始めていた“ニコラップ”に投稿したところ、あれよあれよという間に高評価を獲得。PAGE=「MY NAME IS」というほど、彼のイメージを決定づけた。
 思春期の心はジェットコースターのように移ろいゆく。進化と成長を続け、心の闇を吐き出すようになったPAGEにとって、「MY NAME IS」は今と作風が随分違う。むしろ、それだけが特別な曲。なのに、その曲で自分を語られてしまうのはいくら高評価でも素直に喜べない。ゆえに彼はこの曲を封印したがっていたのだ。
 ただ、最近本人にインタビューした際は「これは中3の自分のリアルだし、それを否定するのは違う」と心境が変化。さらにこの曲を自分の武器と考えられるようになったためリリースすることにしたんだとか。
 「MY NAME IS」は紛れもなくPAGEのルーツ。それゆえ、カップリングには自分と同じネット出身のトラックメイカーに自らリミックスをオファーし、センスのいい人選でカラーの異なる4曲を収録した。なかでもKEN THE 390やKLOOZ等に楽曲提供しているistや、気鋭レーベル“LOW HIGH WHO?”に所属するjinmenusagiは、今後の活躍が楽しみな注目株だ。
 17歳のPAGEが歌う、15歳のPAGE。ラップは驚くほど上達しているし、感情表現も深い。それにしてもこの曲で歌われている純真さといったら! ここにはこれまでとはまるで違うPAGEがキラキラと輝いている。

(猪又 孝(DO THE MONKEY))

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人