SiM SINGLE「EViLS」ディスクレビュー

EViLS

SINGLE

SiM

EViLS

gil soundworks/NAYUTAWAVE RECORDS

2013.04.03 release

<CD+DVD>


“ラウド+レゲエ=SiM”というケミストリー

 ここ2、3年、「このバンドはマジでヤバい」「早くライブ見たほうがいいですよ」「いつメジャーに行くんですかね……?」みたいな会話を何度交わしたかわからない。レコード会社、音楽系メディアを含めて、これほど高い注目を集めているバンドは本当に久しぶりだ。
 ラウド・ロック・シーンを中心にライブ活動を展開、現場のオーディエンスから熱狂的な支持を得ているSiM。前作「LiFE and DEATH」がオリコン・ウィークリー・チャート9位を獲得(セールスも3万枚を突破)するなど、すでに十分にブレイクしている彼らだが、メジャー・レーベル移籍第1弾シングル「EViLS」によってこのバンドは、ジャンルの壁を完璧に砕き、音楽シーンのど真ん中に突き進むことになるだろう。1曲目に収録された「Blah Blah Blah」を聴けば、誰もがそのことを確信するはずだ。
 SiMの音楽性の軸になっているのは、ラウドとレゲエ。“ロックにどんな要素を加えるか?”という問いの答えによってバンドの方向性や個性が決まっていく現在において、ラウドとレゲエに焦点を絞った彼らの選択は極めて正しい。そして、そのスタイルが最も端的に示されているのが、「Blah Blah Blah」なのだ。猛烈な疾走感に満ちたビート、ずっしりとしたヘビネスを備えたアンサンブルをブチかましたあと、何の違和感もなくレゲエ・サウンドが挿入され、再びラウド・ロックへと戻りながら圧倒的なカタルシスを生み出していく——現時点において、この曲はSiMそのものだと言っていい。
 さらに言葉を加えるなら、おそらく“ラウドとレゲエ”は彼らのなかでまったく同じ意味を持つ音楽なのだと思う。社会の矛盾から目を逸らさず、どこまでも“自分”を貫くこと。その手段として最も適している音楽を彼らは意識体に選んでいるのではないか。「do something to free yourself/stop wasting your time」(自らを解き放つために何かしてみろ 時間を無駄にするのは止めるんだ)という「Blah Blah Blah」のリリックを浴びると、どうしてもそんなふうに考えてしまう。“何をバカバカしいことを”と思われるかもしれないが、ラウドもロックもレゲエも、もともとは反抗の音楽だったのだ。そのことをSiMは改めて突きつけようとしているのかもしれない。

(森 朋之)

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